2008年07月09日

傍聴人もだまされかけた! オレオレ詐欺の驚きの結末

某巨匠よりリクエストがあったので、そろそろ書こうと思っていた、ちょっと前の裁判傍聴の話を( ̄ー ̄)ニヤリ


その日の開廷表で目を引いたのは、被告人が男2人、女1人が一緒に裁かれている「詐欺」でした。

当時、「オレオレ詐欺」(振り込め詐欺とも呼んでますね)が大流行?していたので、これはそうなんじゃないか、と予想してみたのですが、これがビンゴ! 思いっきりオレオレ詐欺でした。


事件は大がかりでした。3人の上にボス?がいて、ボスが名簿や電話回線、架空名義の預金口座を用意。男一人が「息子」役で、もう一人が「警官」「弁護士」「被害者」などの役。女は「金の引き出し役」でした。

今回の傍聴記は息子役の「男その1」の話を書きます。


この男、驚いたことに

「借金が返せなくなって困っている。代わりに払って。300万円」
「事故を起こして相手にけがをさせた。治療代が必要だ。150万円振り込んで」
「トラックを取引先の門柱にぶつけて門を壊した。弁償しなければならない。250万円振り込んで」

こんなたわけた話を、被害者に電話の声だけで信じさせたんです。すごい演技力でびっくりしますわ。それで10人以上から3000万円もパクったというすさまじい事件です。

なんだか、ぐずぐず泣いて電話をして、信用させたという「男その1」。体格も姿勢もよく、丸刈りが似合う。スポーツをやってたのかなと思わせました。罪状認否ではすべての起訴事実を認めました。


で、冒頭陳述が終わったあと、弁護側の情状証人が尋問されました。証人の一人目は、男その1の父親でした。この人も背がすらっと高く、スーツもきれいに着こなして、絵に描いたような紳士。淡々と息子との関係や今後の接し方について語りますが、その文言よりも目についたのが、男その1の態度でした。


(つд⊂)グズッ。グズッ。


鼻をすする音が法廷に響きます。法廷は傍聴席が30人で満員になるような狭いもので、被告人の息遣いまで傍聴席に伝わるんです。で、男その1のすすり泣きで、お父さんの証言など印象が薄くて薄くて。大の男が女々しく泣いてるんですわ。かっこわるー。3000万円もパクッた悪人なら、悪人らしく堂々としてればいいのに。


男その1は結局、お父さんの証言が終わるまで泣きっぱなし。証言を終えるとうつむき加減だった顔を上げたのですが、大号泣ですよ。泣き崩れるとはこのことで。


泣くくらいなら、そんな犯罪するなよ。何回も繰り返して。
しかも、年寄りばっかりねらった、とんでもない詐欺事件だったわけだし。
同情の余地はありません。


さて、証人尋問が終わり、被告人質問になったのですが…まだ泣きっぱなしです。


弁「さっき、お父さんが証言してくれたけど、どう思った?」
男「自分が情けなくてしょうがないです」
弁「お父さんはもっと情けなかったと思うよ」
男「ハイ。子を持つ親の心につけ込むなんて、なんて卑怯だったんだろうと思います」
弁「あなたは【主犯のボス】に誘われてやったのね?」
男「ハイ。ですが、私が一番悪いと思います。何とか償いたい」



なかなか殊勝なことをいうなぁ。反省の情は十分か?と思えてきました。法廷の空気も、男その1に同情的になってきてます。
しかし、検察官の質問で、法廷のムードが一変しました。


検「で、被害者にいろいろ語って見せたけど、その語りは【主犯】の指示なの?」
男「いえ、自分で考えました」
検「結局は、積極的に荷担してたよね」
男「…申し訳ありません」
検「あなたがいろいろ、【共犯の男その2】に演技指導もしていたね」
男「…ハイ」
検「で、分け前は何に使ったの?」
男「ブランド品とか、競馬とか、女とか…」
検「償うっていっても、返す当てはあるの?」
男「…ありません」



ずっと泣きながらなんですが…

おいおいおいおい。話がいろいろ違ってきたぞ。


あ、そうか!




この手で被害者をだましたんだ!



やべぇ。うっかりだまされるところだった(爆)

こう思い当たるともう、男その1の殊勝な姿が嘘くさく見えてなりません。
傍聴席の雰囲気も、私と同じ気持ちになってきたような感じ。
がっくりうなだれる姿すら「それ、演技だろ」に見えてきました。
そういえば、裁判官は終始、厳しい目線を投げかけていましたね。なれてるのかな?


検「あなた、高校時代は野球やってたんだよね?」
男「ハイ」


お、やっぱりスポーツ選手だったか。それにしても、スポーツマンシップはどこへやら…と思ったら、検察官がとんでもない一言を吐きます!











「甲子園にも出場したんでしょ?」
男「ハイ」



`;:゛;`;・(゜ε゜ )ブッ!!
ちょっ、待てい! 甲子園球児だったの!? しかも「出場した」ってレギュラーだったのか?
これはびっくりしましたよ。ええ。



検「そのころの自分が今の君をみたらどう思うだろうね」
男「昔の自分が見たら、今の自分は絶対に許せないと思います」



…( ´_ゝ`)フーン


いくら殊勝なことをいっても、もうだまされないよ。

法廷の雰囲気は、すっかり男を敵視するようになっています。

結局、この男その1には懲役10年が求刑されました。判決もみることができましたが、懲役8年を言い渡されました。

まあ、被害者だけでなく、法廷すらだまそうとしたようにも見えましたからね。多少、重くなってもしょうがないか。そんな風に思えた裁判でした。


komelong_01-160.gif


posted by こめろんぐ at 02:30 | Comment(5) | TrackBack(0) | 実録!?裁判傍聴日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うわぁ。凄いな。
どんだけ演技力凄いんだよ…
演技力は凄くとも頭はやっぱり弱いんだね。

でもオレオレ詐欺ってさ振り込む方もどうかと思うよね。
確認すればいいだけの話だし実際本人なら
すぐに折り返せば連絡つくだろうし。
Posted by yu-ko at 2008年07月09日 21:55
こめさんもあやうくひっかかるところだったなんて、たいしたタマですな。進む方向を間違えたのか。そこらの俳優、役者よりよっぽどうまかったりして。言ってるうちに本人もそう思い込むようになっていたりするから、事実を積み重ねていって突き崩すというのは手ですよね。しかし、こんなこともあるだろうし、裁判員は難しいのでは?
Posted by anno at 2008年07月10日 06:46
こめろんぐさん、こんばんは!
おお、お星様にお願いした甲斐がありました。笑。

しかし、流石は詐欺師ですね〜。
ホント進む方向を間違えたのではないだろうか。
同じ元高校球児でも、上地雄介みたくなる道を選んだほうが・・・どちらにしろおバカだし。笑。
Posted by guwa at 2008年07月10日 19:17
8年ですか〜!
でも〜騙された方々の被害を思うと…
ホント別の道に進むべきでしたな〜。(爆)
Posted by カンヂ at 2008年07月11日 20:23
yu-koさん>こんにちは!
まあ、泣き崩れて「何とかしてください!」って訴えかける演技力はたいしたもんでしたよ。
この当時は「オレオレ詐欺」の走りの時期で、結構お年のじいさんに「息子が困ってる」と思わせる手口でしたから。折り返しの番号も「携帯を取り上げられた」「今、違うところにいる」とかで騙したみたいです。用意周到なんですよ。いろいろ。

annoさん>どもです♪
>言ってるうちに本人もそう思い込むようになっていたりするから、
これ、実は多いんですよ。ホントの事実として「事件を起こしている」のに、「私は無実」と信じ込んでいる人が。だいたい、曖昧なアリバイ主張で逃げようとしますが、無理があってばれるのがオチです。
裁判員制度では「被告人に騙されない」という資質も問われるでしょうね。また、裁判官がそれを裁判員に言うと、裁判官がその裁判をすべてコントロールできるから、無意味ですし…。

guwaさん>こんにちは!
ハイ。神のお告げで(爆)
それにしても、頭の使い方を変えれば、まっとうな職に就くこともできたと思うのですけどね。つきあった仲間が悪くて染まっていった、なんて言い訳は通用しませんよね…。

カンヂさん>どもです♪
これ、被害者は老後の蓄えをはき出して、今後の生活をめちゃくちゃにされたっていう事情も考慮してるんですよね。
しかも「じじいは金を持っているから」という故意もありましたし。厳罰やむ無しでしょう。
Posted by こめろんぐ at 2008年07月12日 08:19
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