2009年03月18日

ん?なんだ? オート三輪免許って一体…

朝日新聞の3月17日朝刊に、ちょっと目にとまった小さな記事がありました。ネットには載ってなかったので画像で紹介( ̄ー ̄)ニヤリ


KICX9825.JPG


一部をべた打ちすると次の通りです。

■無免許と誤認し罰金 (2009/3/17 朝日新聞朝刊)
 旧・オート三輪免許を持っていた水戸市の女性(83)が07年12月、排気量360ccを超える軽トラックを運転したとして摘発されたが、本来は道路交通法の「免許条件違反」として上限1万5千円の罰金で済むところを誤って同法違反(無免許運転)罪に問われて罰金20万円の略式命令を受けていたことが分かった。誤りに気づいた検察側が確定判決を改めるために必要な「非常上告」の手続きを取り、最高裁第二小法廷は16日、略式命令を破棄し、公訴を棄却する判決を言い渡した。(以下略)

後半部分もかなり、傍聴マニアには垂涎の話なのですが、とりあえず、最初に気になった「旧・オート三輪免許」について、ネット巡回して調べてみました。

自動三輪免許は昭和24年(1949年)に誕生しました。なんと、16歳から免許を取れたそうです。さすが昔。

それまでの免許は1500cc超の「普通免許」と1500cc以下の「小型一種」(四輪)、「小型二種」(三輪)などに分かれていました。(小型三種=二輪、小型四種=150cc以下の二輪というのも)。この免許改正は数字による区分けを明確に分かりやすくしたもの、といえます。

その後、昭和35年(1960年)には免許制度が変わって「三輪免許」となり、昭和40年(1965年)に三輪免許は廃止され、普通免許に統合されます。

三輪免許を持っていた人の免許は「普通免許」となりましたが、条件欄に「普通車は自動三輪車に限る」と書かれており、四輪車(というのも変か^_^;)を運転するには限定解除審査(技能検査)を受けなければなりませんでした。

ちなみに、昭和31年(1956年)に今の二種免許(タクシーなどですね)が誕生した際、「自動三輪二種」というカテゴリも設けられ(つまり、三輪自動車のタクシーが存在した!)、前年までに自動三輪を取っていた人の免許が、自動的に「自動三輪二種」に格上げ、さらに昭和40年の三輪免許廃止により、「普通二種」に格上げされます。ただし、「自動三輪車に限る」の限定付きですので、全然意味のない二種免許です(爆) だから、これを持っている人は「超レア」なわけです。ハイ。

逆の意味ですごいのが、昭和27年(1952年)までに普通免許を取っていた人です。当時の普通車は大型も営業車も含んだため、免許制度の改正とともにどんどん格上げされ、現在は「大型二種」+「大型自動二輪」という免許になっています。車の免許だけのはずが、ハーレーやバスまでも運転できちゃうことに(爆) なんとおいしい免許でしょうか。

そういや、ウチらのオヤジの世代の免許には普通免許に限定なしの自動二輪が付いてました。ずるいなー、と思ったのですが、亡くなったじいちゃんの免許が「大型二種」だったのはこういう訳か! もっとずるい!と思ったり。


話は横にそれましたが、ここまで考察するに至って、この記事、ちょっと変だなと思いました。


なぜかというと、自動三輪の免許には排気量制限はないんですよ。小型免許時代は1500cc以下の制限でしたが、昭和24年でなくなりました。

昔の免許で排気量制限があったのは、普通四輪自動車では「軽免許(360cc以下)」だけです。

この軽免許も16歳で取得できた免許です。軽免許は昭和27年に誕生。昭和40年に普通免許に統合され、軽免許は「普通免許(360cc以下の軽自動車に限る)」になりました。今の軽自動車は660ccですので、昔の軽免許で運転することはできません。運転するには限定解除審査(技能検定)を受ける必要があります。さもなくば、スバル360とか、ホンダN360とか、マツダ・キャロル360などをレストアするしかないわけです(爆)

つまり、こんな免許をいまだに持っている人は「超レア」ですよ。

この女性の免許、オート三輪じゃなくて「旧・軽免許」だったんではないでしょうか。「あたしは軽しか乗らないから、限定解除なんてしなくていい」と思いこみ、世の中の軽自動車が550、660になっても運転し続けたと。そういう話なんじゃないでしょうか。

朝日さん、記事は正確にね…。


ちなみに、検察の「非常上告」というのは、判決や命令に重大な間違いがあることが分かったとき、それを救済するために検察が一気に最高裁に訴え(たとえ簡裁で確定の罰金事案であっても)、それを取り消す制度です。これを行うことができるのは、日本に数多いる検察官の中で「検事総長」ただ一人に与えられた権限です。つまり、超レアケース。一回見てみたい!

また、「公訴棄却」の判決も極めてレアです。

ようは「そもそも裁判にする事件じゃないので、裁判打ち切り。一切なしに」という判決です。検察が一度起訴した事件は何が何でも有罪を取ろうとするし、弁護側は無罪を訴えるので、この判決は滅多に出ません。無罪以上にレアです。再審事件でたまに検察の「求刑」が「公訴棄却」だったりすることがありますが…。


というわけで、「旧・軽免許」「非常上告」「公訴棄却」のトリプルレアがそろったこの事件。なぜ見出しが立たないのか(爆) 報道機関としてもっとおもしろがって報じてほしかったなぁ…。


komelong_01-160.gif

今回のエントリは以下のサイトを参考にしました。

運転免許の歴史
旧軽免許又は旧三輪免許を持って限定解除審査を受ける人へ
posted by こめろんぐ at 00:59 | Comment(3) | TrackBack(0) | ニュースに一言! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
きょうこめろんぐと、参考された。
だけど、簡裁を破棄ー!
Posted by BlogPetのまめろんぐ at 2009年03月23日 14:54
まめろんぐ>いいたいことはよく分からんが、とにかくすごい自信だな(爆)
Posted by こめろんぐ at 2009年03月26日 23:09
三輪免許でも360cc以下の軽四輪自動車が運転できます。三輪自動車には排気量制限はありません。
Posted by Jackal Sakata at 2015年09月20日 08:31
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