今回、ピンときたのは、「業務上横領」事件。傍聴席もまあまあいます。ただ、検察側の前には「傍聴マニア」しかおらず…。なんだろ、これ。
さて、開廷前に腰縄手錠姿の被告人が入廷しました。しょぼくれた50がらみのおっさんですが、なんか、雰囲気はその辺のおっさんと違います。うーん。この雰囲気…
飛び込みで何かを売りまくる迷惑セールスとか、新聞拡張員とか、その類のにおいがしました。
さて、裁判官が入廷し、人定質問です。
裁判官「名前は」
被告人「山田太郎です」(註:もちろん仮名)
裁判官「本籍は」
被告人「○○市○○区●●丁目○番○号」
裁判官「それは住所ね? 本籍は丁目まで?」
被告人「ハイ」
裁判官「現在、何か仕事をしていますか?」
被告人「ハイ。新聞拡張員をやってます」
オイラの勘、大当たり!(爆)
いやいや、こんなところで受けてもしょうがない。
さて、起訴状朗読によると、この被告人
○○家裁から、甥であるヤマダジロキチの成年後見人に指定され、財産管理していたが、
1:平成16年1月にA銀行の口座から262万払い戻して横領。さらに、同口座から4回にわたって計112万円を自分や息子の口座に移し替え、横領。
2:B銀行の口座から平成16年7月から11月にかけ、10回にわたり、計117万円を払い戻し、着服。
3:平成16年11月から翌年4月までに8回に渡って同口座から8回にわたり、計600万円を別口座に移し替えた。
4:平成17年7月 郵貯の口座から201万円を払い戻し、着服した。
罪名=業務上横領。
おいおいおいおい。ごっつい仕事してますやん。身内とはいえ。
てか、成年後見人になってるということは、身元調査を裁判所がちゃんとしてるはずなんですが…。さて被告人が、罪状認否で「間違いありません」と全面屈服したところで、検察側の冒頭陳述が始まりました。なかなかエグイ内容でした。以下にメモ内容を書きます。
被告人は大学中退で、生命保険会社などを職を転々とし、昭和58年から新聞拡張員をしている。被害者のジロキチは重度の知的障害があり、施設に入所して生活している。ジロキチの実父が死去し、その財産を相続したため、叔父の被告人が平成16年4月に成年後見人となった。
しかし、以前から闇金などから借金300万円があり、競馬などで費消していた。成年後見人になる前にもジロキチの口座から463万円を勝手に引き出し、競馬につぎ込んだが、その事実を裁判所に隠し、後見人になった。
犯行態様は公訴事実の通り。
そして、平成17年5月に○○家裁が調査した際、隠しきれないと悟って、同6月に横領を申告。その後も郵貯から金を引き出した。郵貯の金200万円のうち、10万は債務返済に充て、残りは競馬に費消した。
その後、成年後見人を解任され、ジロキチについた司法書士との間で被害弁済する旨、調停をしたが、すでに52万円を滞納している。
ジロキチは施設にいないと生活できない。その入所費用に年50−60万円かかるが、平成19年3月現在でジロキチの財産は293万円になっており、5−6年で底をつく。
…。要するに、
競馬で借金漬け、クビ回らない
↓
障害者の甥っ子がごっつい財産継いだ
↓
その成年後見人になれば財産いただき!
↓
よし、一財産頂き!がっぽり横領したぜ
↓
え?裁判所がチェックするの?やべ。
↓
ええい、ばれるんだからしょうがない!馬券で返せばいいんだろ
↓
さらに横領も馬券負けて涙目
↓
タイ━━━━||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ||━━━━ホ!!!
という、後先見ないで甥っ子の財産を食いつぶした、新聞拡張員の成れの果てというわけですな。
さらに検察側は、証拠となる調書の要旨を以下のように告げました。
妻の供述調書によると、被告人は以前から借金が多く、自己破産を勧められたこともある。借金は競馬で作ったらしい。
本人の調書によると、闇金などに多額の借金があり、金を増やして借金を返そうとして競馬につぎ込み、負けたらまた借金、の繰り返して借金がふくらんでいった。
…同情の余地無し。
馬券で借金が返せるのなら、世の中の自己破産者なんて一人もいないって。
で、証人尋問の1人目は新聞拡張会社の社長でした。
グダグダ言ってましたが、「被告人はマジメに勤めており、成績も優秀。ウチで3本の指に入る拡張員であり、私の右腕だ。こんな事件を起こすなんて信じられない」とのことでした。
新聞拡張員として優秀って、人としてやばいんじゃ…。
だんだん、被告人が両津勘吉に見えてきました。
奥さんの証人尋問は特に内容がなく、いよいよ被告人質問です。
検察官「借金ある身で後見人をやっていいと思ってたの?」
被告人「ジロキチの父が死んだあと、兄妹の話し合いで、長男の私がやる決まった。司法書士を頼むのはお金がかかり、年々財産が減っていくのでもったいないと思いました」
検察官「あなたがやった方が財産が減ったじゃないか」
被告人「ハイil||li _| ̄|○ il||li」
検察官、ナイス突っ込み!
検察官「ジロキチ君に悪いと思わなかったの?」
被告人「思ったんで、競馬で増やして返そうかという気持ちが強かったんです」
…だめじゃん。
検察官「家裁から「犯罪だ」といわれたのに、まだ下ろしたでしょ」
被告人「借金返すことしか頭になかった」
だーかーらー!
検察官「弟さん(ジロキチの父)の葬儀費用を出してないのに、「出した」と申告したね。ウソでしょ」
被告人「兄妹で負担したものなので良いかと…」
…だめだろ。人のものはオレのモノ、オレのモノはオレのモノ。人が出した金はオレが出した金。
あり得ない理屈だって。ジャイアンか、おまえは。
求刑は懲役3年でした。
で、この日の裁判が終わった後、ロビーに出ると、例の新聞拡張会社社長と、被告人の妻がしゃべってました。
社長「奥さん。まあ、気を落とさないで。ウチの会社でもまぁ、何かやらかす奴がいるが、被害弁済ができれば執行猶予がつくから」
妻「すいません。いろいろと」
社長「でも、まあ、今回は額が大きいから、重くなるかもね。まあ、何かあったらいつでも相談に乗りますよ」
…おいおいおいおいおいおい。慣れてんのかよ!社長!
さて、2週間後に言い渡された判決ですが…。
主文。被告人を懲役2年6カ月に処する。未決勾留日数中20日間をその刑に算入する。
実刑キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
判決理由も被告人フルボッコ状態でした。
●成年後見人という社会的地位を悪用し、1000万円以上も着服した。
●そもそも、自分の借金返しのためのギャンブル資金という動機に酌量の余地はない。弱者の権利を損なわないための制度の根幹を揺るがしており、卑劣きわまりない。
●しかも、裁判所に警告された後も犯行を重ねたばかりでなく、ウソの申告をするなど悪質極まりない。
●知的障害者の成年後見人の立場を悪用した、極めて悪質な犯罪。一般予防の見地からも実刑が相当と判断した。
そりゃそうだ。普通に出てきたら、このおじさんはまた、何かしでかしそうだし。
競馬で借金返せず、あくどいことをして金を作り、ぱーっと競馬につぎ込んで負け、また借金…。まさに「両津勘吉」男の成れの果てをみたような裁判でした。
<きょうの物欲>
オリンパスから新しいデジタル一眼レフカメラ「E-3」が出ました。オリンパスの新しいフラッグシップ機です。
1010万画素のLiveMOS、イメージスタビライザー(手ぶれ防止)内蔵、11点全点ツインクロスセンサーによる最速AF、秒5コマのモードラ、液晶ライブビューファインダー搭載…。

これ、いい。マジでほしい。20万もするけど…。




(C)TRT Communication



そんなことに今さら気づかされてしまいましたです。。
ホントに、漫画の世界ではアリなんですけど、実際にいたら傍迷惑以外の何者でもないな…なんて分かり切ってることなんですけどね。実際に目の当たりにすると「うわ」としか思えなかったです。ハイ。
まあ、身内じゃなきゃ、まだ良いのかもしれませんけどね(^_^;
飢えた狼の前に肉を置いておくようなもんですな。最低限、借金のある人間には他人の財産は預けてはいけませんな。
まぁ…実刑より強制労働させて被害弁済に充てた方が甥っ子の為にはなるんですが、これも司法の不備ですかね…(^_^;)
そうなんですよね。裁判所もちゃんと審査すべきだったと思うのですが、なにをやっていたのかと。
あ、そうそう。ムショは強制労働みたいなもんですよ。給料がべらぼうに安いですが(爆) なので、甥っ子への返済はままならないでしょうね…。