本日午後4時。東京・青山一丁目で鈴木亜久里・SAF1代表は記者会見し、シーズン半ばでのF1撤退を表明しました。
開口一番、「2年と4カ月、本日、活動の終止符を打ちたいと思います。苦渋の決断をすることになりました」と語ったアグリさん。琢磨について語ったとき、その目に涙を浮かべたそうです。
会見については
Taku-style 現地生ルポ
亜久里代表「琢磨、アンソニーに関してはこれから詰めていく」=Autosport web
SUPER AGURI、F1撤退を発表=Carviewニュース
スーパーアグリF1チームからの声明=スーパーアグリ公式サイト
などに書かれています(詳しいものがあれば追加していきます)
<23:30追記>
Formura Webさんに詳報が出ました。
- 亜久里代表,少し休みたい
- 亜久里代表,今のF1ではプライベーターは無理
- SAF1,撤退を決めたのはマグマとの決裂後
- 亜久里代表,福井社長とはまだ話していない
- ホンダ,亜久里の決定はやむを得ないと受け止めた
- 亜久里代表,マグマからは5行の通告文だけ
- 亜久里代表,琢磨達についてホンダと話をする
- 亜久里代表,フライの言動に不快感
- 亜久里代表,始まりも終わりも一人だった
F1キンダーガーテンさんに「ほぼ全文」出ました。
- 鈴木亜久里チーム代表の撤退の言葉・1/3 [ 6 May | 2008 ]
- 鈴木亜久里チーム代表の撤退の言葉・2/3 [ 6 May | 2008 ]
- 鈴木亜久里チーム代表の撤退の言葉・3/3 [ 6 May | 2008 ]
特にこの部分…
「その中で、佐藤琢磨と2006年に急遽クルマを作り、最初はまっすぐ走らないようなクルマでしたが、それでも琢磨はなにひとつ文句を言わず、“亜久里さん頑張りましょうね。このクルマでも何でも、ボクは、闘っていきますよ”と言ってくれました。今ここにきて思い出すと、どれだけ苦しくても彼はボクに一言も文句を言わなかったし、いつもポジティブに、ボクにもパワーをくれて、“亜久里さん、絶対、頑張りましょうよ、絶対に負けないですからボクは”と言って・・・(しばし涙声で言葉に詰まる)・・・レースをやってくれたことは、嬉しかったです。アンソニーも、本当に早いドライバーで苦しい中でいいレースをしてくれました」
オイラも、ウルッと来ちゃいましたよ…。
F1キンダーガーテンさんは今後、「質疑応答」も全文掲載してくれるようです。待ってみたいと思います。
→その前にヤフースポーツナビさんに「全文」出ました。
アグリがF1撤退表明=会見全文
もう、なんつーかね。
心底腹が立ちます。
何にって、当ブログで「HONDA」と表記している「ホンダレーシングF1」に、ですよ。
あいつらには「HONDA」を名乗ってほしくない。お前らこそ撤退しろ、といいたいですわ。
そもそも、最初の始まりは2004年夏に始まる「バトン・ゲート事件」なわけですよ。
「ホンダの本気度が分からない」と、2004年夏に勝手にウィリアムズと05年から2年間の契約を結んだ全損馬豚(ジェンソン・バトン)。この契約を巡り、BARとウィリアムズがもめにもめ、すったもんだの末に「05年シーズンのウィリアムズの契約は無効」とされました。しかし、馬豚は自分にかなり有利な契約でBARと05年の契約を結びました。で、馬豚は06年からはウィリアムズに移籍することも契約。ところが、ウィリアムズが06年からBMWのワークスエンジンを失うことと、BARを本田技研が買収し「オールホンダ」になることが決まるやいなや、突然「BARホンダに残りたい」とわがままを言い出しました。BARはすでに馬豚の離脱を見越してフェラーリからルーベンス・バリチェロを獲得。佐藤琢磨とのコンビが内定していたにもかかわらず、ですよ。
で、結局、馬豚が(というよりBARが)3000万ドル(約33億円)の違約金を支払うことで馬豚のBAR残留が決定。BARが年棒を上乗せし、事実上違約金を肩代わりしました。肉揚=ニック・フライが強権を振るったとされています。ここまでの人事のすったもんだが「バトン・ゲート事件」と言われるものです。
で、この事件で「06年の契約」を持っていなかった佐藤琢磨がシートを失うことになりました。
この人事に日本の琢磨ファンのみならず、日本のF1ファンがホンダにブーイングを投げかけました。「ふざけるな。日本のチームが日本人ドライバーを見捨てるとは何事か」と。
そこでホンダ(本田技研、HONDA=ホンダレーシングF1の親玉)はとんでもない隠し玉を持ち出しました。
水面下で進んでいた「スーパーアグリ」参戦計画を1年前倒しし、そこに琢磨のシートを用意したのです。
2005年11月、今日と同じくたった一人で青山一丁目で会見をしたアグリさん。しかし、このときはマシンをどうするかも確定していなかった。エンジンはホンダV8。タイヤはブリヂストン(当時はBSとミシュランの2メーカーが供給)、ドライバーは多分佐藤琢磨とあと一人。それだけです。
それどころか、FIAに支払う供託金4800万ドルのめどすら付いていなかった。何ともアバウトな、無茶な参戦計画だったんです。
案の定、05年冬に発表されたFIAのエントリーリストにはスーパーアグリの名は無し。理由は「供託金の未払い」でした。しかし、アグリさんがあちこちをかけずり回って金を確保。アグリさんの旧友にしてスーパーアグリの軍師・ダニエル・オーデッドが巧みに根回しして、06年1月に全10チームの了承を得て、ようやく06年シーズンからのエントリが認められました。
その後、マシンをどうするか。当時はホンダと同一のカスタマーシャーシを使うのでは、との予測がありましたが、これは「コンコルド協定で認められない」とされました。(実際にはレッドブルとトロロッソが抜け道を使ってましたが)。そこで、軍師・オーデットが奇想天外なアイデアでこれをクリアします。2002年に走っていたアロウズA23を購入し、これをレギュレーションに合わせて改造して出走するという、とんでもないものでした。初年度は競争力があろうはずがないわけです。早く、中古車ではなく新車がほしかった。オイラの「琢磨に『走れる』車を!」「琢磨が『レース』できる環境を!」という叫びはここから始まっています。
ドライバーはファーストが佐藤琢磨、セカンドが井出有治。ダブル日本人ドライバーはF1史上初でした。
しかし、「空港の展示品」をリビルドしたような陳腐なマシンでは、経験のある琢磨はもちろん、ルーキーの井出には酷な環境でした。井出は後にスーパーライセンス剥奪、という屈辱を味わいます。セカンドは井出→フランク・モンタニー→山本左近と目まぐるしく変わりました。
オイラの叫びは07年に成就しました。セカンドにアンソニー・デビッドソンを迎えたこの年のマシンはHONDA−RA106ベースの「SA07」。開幕戦で琢磨が予選第三ラウンドに進出し、スペインGPで初ポイント。そしてカナダGPでは、琢磨がマクラーレン・アロンソを自力でオーバーテークする鬼神の走りをみせます。本家HONDAを上回る活躍に、全世界がしびれました。
その後、スーパーアグリの快進撃は止まります。この年のメーンスポンサーとだったSSユナイテッドのスポンサー料未払いに加え、HONDAの肉揚=ニック・フライの横やりで、ホンダ栃木研のSAF1への協力がストップしたからです。(このことは後に、カメラマンのさわだけんじ氏が自らのブログで報告しています)最終的にHONDAはスーパーアグリを上回る成績を残しましたが…。
08年はまさに「スーパーアグリ買収狂騒曲」で始まりました。
オフシーズンはまともにテストできず、肉揚が買収相手に連れてきた「マグマグループ」の買収は9分9厘成就するところまで行き、ポシャりました。代わって現れた「ヴァイグルグループ」との交渉はほぼ、まとまりましたが、HONDAの肉揚が「気にくわない」とこの話をゴミ箱へ放り込む妄挙に。
さらに、肉揚は何の権限があるのか、FOMに「スーパーアグリはトルコGPに出走しない」と通告。スーパーアグリのトランポはイスタンブールから締め出しを食らいました。
ここでアグリさんは万策尽きました。
そもそもの発端の「バトンゲート」、07年の「横やり」、今回の「狂騒曲」…。
すべてにヤツが絡んでいます。
ホンダレーシングF1のCEO、肉揚=ニック・フライが。
今回の件でホンダはコメントを発表していますが…。
スーパーアグリF1チームの発表を受けて
(前略)
その後も引き続き、最善の努力を重ねて参りましたが、このたび、鈴木亜久里代表から、チームが自立した運営基盤を確立する見通しが立たず、F1活動から撤退するという説明を受けました。
SAF1のF1活動撤退は誠に残念な決定ではありますが、SAF1が自立し、将来的にも安定した運営基盤が確保できない状況ではチームの決定はやむを得ないものと受け止めました。
Hondaとともに戦ってきた、チーム関係者の皆さま、そして、応援していただいたファンの皆さまに深く感謝を申し上げます。
ホンダさん、あんた、当事者意識なさすぎ。
あんたの名前をかたってレース活動をしているチームのCEOがすべての根源じゃないか!
2年前、琢磨はBARで結果を残せず、F1での選手生命が危ぶまれていたのは事実です。
肉揚の巧みな政治力公使に対し、裏技で琢磨を救ってくれたことには感謝します。
現にこの2年間、琢磨は心身共に飛躍的な成長を遂げました。そのファン層は全世界に広がっています。
今回、買収に名乗りを上げてくれたヴァイグル氏も、琢磨の能力を高く評価していました。クチだけかもしれませんが。
3年前は「危険なドライバー」と言われた琢磨が、いまや「もっとも魅力的でエキサイティングなドライバーの一人」と言われるまでになっているのです。
こういうチャンスをくれ、常にポジティブな琢磨を支援してくれたホンダ=本田技研には心から感謝します。
そして、アグリさんには感謝しても感謝しきれません。夢をありがとう。お疲れさまでした。この言葉がすべてです。
一方、ろくな結果を残せない「言い訳王子」こと全損馬豚、信号も見えない、速度も守れないロートルに成り下がったバリチェロを使い続けるHONDA=ホンダレーシングF1を心から軽蔑します。
天国のオヤジさん=本田宗一郎氏がこの状況を見たらどう思うでしょうか。
肉揚はとっくにスパナでたこ殴りにされてますな。馬豚もバリチェロもその地位は安泰ではないでしょう。
闘う男を心から愛したオヤジさん。その「宗一郎イズム」は今のHONDAにはかけらもありません。そんなことは06年にはハッキリしていましたが…。
ホンダでなくなったHONDAはF1から去ってほしい。これ以上、ホンダの名を汚してほしくない。そう思います。
そして、琢磨の今後が心配です。アンソニーはHONDAに戻れるでしょう。しかし、スーパーアグリが活動をやめた今、琢磨のシートはありません。また、琢磨を支えてくれた、頼もしいスタッフの面々もまた、活動の場がなくなりました。こちらも心配です。
今のところ、琢磨のコメントはどこにも入っていません。
おそらく、もっとも悔しい思いをしているであろう琢磨の心境を思うと、今夜は眠れそうにありません。
琢磨はまだまだやれる。まだまだF1でできることがある。あきらめてほしくない。
ガンバレ!琢磨!
佐藤琢磨を応援しています!


【モースポとバイクと佐藤琢磨との最新記事】
もうホンダF1への失望感で一杯です。
また本当に切り離すべきは何かを解っていないホンダにこの第3期F1活動で第2期の様な黄金時代は訪れる事は決してないと確信しました。
亜久里代表に対して本来ならば「お疲れ様でした」とか「今まで夢をありがとう」と言うべきなのでしょうけど、今はまだ素直にそういう言葉を発せられない自分もいます。なんだかスーパーアグリの終焉を認めるみたいで・・・。
それと琢磨に関してですが、バリチェロに代わってワークスに戻るという希望的観測の書き込みを目にしましたが、今の憎蠅が蔓延っているホンダワークスには決して乗ってほしくありません。それこそ他チームから参戦して勘違い野郎(バトン)&ロートル(バリチェロ)をコース上でブチ抜いて憎蠅を歯ぎしりさせるくらいの活躍を期待します。
何かある度に琢磨の邪魔をした肉。
ホント憎らしいよ、名前どおりにさ。
みんなが思ってる事、同じだね。
本田宗一郎氏から受け継いだはずのホンダ・スピリッツ
かけらもないんだから、どうぞ本家撤退して下さい。
しかし、例えSAF1が無くなろうとも、我々は誇り高きSAF1の一員であり、仲間です!
亜久里代表や琢磨選手が培った『SAF1スピリッツ』が我々の心に刻まれ続ける限り、某サッカーチームではありませんが、胸を張って『We are SAF1!』と言えると思います!
全く同じ意見です。肉揚、馬豚のいる本家HONDAに復帰してもつまらんわけです。ホンダには義理はあっても、HONDAには義理もくそもありませんから。ぜひとも他チームから出走して、「アHONDA」をぶち抜いてほしいものです! あ、SA07では何度もぶち抜いたか(爆)
yu-koさん>どもです。
最初から最後まで、あの男に振り回されましたね。一つ前のエントリで感情にまかせてヤツを罵ったことを、ちっとも後悔してません(爆)
宗一郎イズムを体現しているのはHONDAにあらず、SAF1だったと胸を張って言えるなチームでした。
残念です。本家にはその名を名乗ってほしくないですね。まったく。
オレゴンさん>コメントありがとうございます。
そうですね。琢磨に今後、いいシートが巡ってくることを祈って、今後も応援し続けたいですね。今のところ、彼こそ唯一の「宗一郎イズム」体現者なのですから。
マーク=グランさん>どもです。
オイラは「琢磨にシートをくれ、成長させてくれた」SAF1には感謝しています。もう、終わりなのが至極残念です…。
いろんな意味で、、、
個人的にはセナの事故の時よりもがっかりかも。。。
今週末の地上波でまたフジTVのすっとこどっこい達がどんなコメントを言うのかも気が重いですが、、、
やっぱF1ってレーシングじゃなくてただの村なんだな、、とも。ニックフライが我が物顔でいるのも理屈がおかしいけどF1村では今までどおりなんかな?とか思っちゃいました。
でも琢磨の風が少しでもF1にいい風を送っているはず!!
どんな形でも戦う琢磨!応援します♪
そしてあぐりさんお疲れ様です。。。
ほんと、今週末の地上波の惨状は想像が付くだけに、オイラ、消すかも(^_^;
昔の「レース屋」ばかりのころのF1と現代F1は違いすぎますね。
琢磨がギブアップしない限り、オイラたちも応援し続けたいですね!