2005年11月08日

六甲ぉおろ〜しに〜さぁっそぉぉと〜♪

久々に、裁判傍聴の話を。



あまり知られていないかもしれませんが、裁判は誰でも傍聴することができます。身分証明書も必要ありません。ただ、東京地裁では、金属探知器をくぐる必要がありますが(^_^;



ですから、私のブログの書庫「実録?裁判傍聴日記」「大人限定?の法廷」でエントリされた話は、誰でも見聞きすることができるわけです。ただ、暇があるかどうかが最大の問題で。



法廷傍聴を何度もやっていると、失敗談もいくつかあります。その中からまずは1本をチョイスしてみます。










「法廷内では携帯電話の電源を切る」

傍聴のルールの一つです。違反すると最悪、つまみ出されることもあります。
ただ、私は「鳴らなきゃいいんだろ」ということで、マナーモードにしていますが。どうやら、同じ考えの人が多いらしく、傍聴席では時折「ヴヴヴッヴヴヴッ」とバイブの音が鳴ってます。




その日、私はいつものように、法廷入り口でマナーモード切替の操作をしました。




ところが、その日に限って、しゃれたレストランで食事をしており、そこでマナーモードに切り替えていました。レストランを出た後、モード切替をしないまま、裁判所に行ったのです。で、法廷前で切り替え操作をしたことで、自分の思いとは別に、マナー解除された状態で傍聴席に着席したのでした。




その裁判は、強盗致傷事件の初公判でした。刑事被告人の住所、名前などの確認が終わり、起訴状の読み上げが終わって、いよいよ、被告人が罪状認否、つまり、起訴状に書かれた事件をヤッタかヤッテないかを聞く場面です。裁判長の問いかけに、被告人が一瞬、口ごもりました。法廷を沈黙が支配します。



と、そこに突然、あのメロディーが鳴り響いたのです。




♪ちゃーんちゃーちゃちゃーんちゃーちゃ ちゃちゃちゃちゃちゃーちゃん




我が、阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」が。




?(゚Д゚≡゚Д゚)? 知らんぷりしたくても、瞬時に誰が犯人かを理解しました。







私だ _| ̄|○ illi






周りからの、そして、裁判官からの白い目線を一身に浴び、速攻で電源を切りました。ええ。
こういう時って、マナーモードに切り替える余裕なんかないですよね。




その後、私は体を小さくして傍聴しました。



















淡々と審理は進み、被告人質問が始まりました。







ピピピピ ピピピピ







また、法定内に携帯電話の着信音が鳴り響きました。




周りの視線が一斉に、私の方に向きます。









「違〜う! 私じゃない!」







無言で抗議する私。さて犯人は…



















弁護人だった…












めちゃくちゃ慌てて、鞄の中をあさり、携帯電話を見つけてようやく、音は鳴りやみました。焦りまくって、ボタン操作をする弁護人と、一瞬目が合いました。










「まいりましたねぇ」
「お互いにね」








目と目で通じ合う…、こういうアイコンタクトは、むさ苦しいおっさんでなく、フィーリングの合う女性としたいものです。





しかし、その後の弁護人はなにも悪びれることなく、きちんと質問してました。さすがはプロです。私なんか、最後までおどおどしっぱなしでしたよ。ええ。









予告編。次の法廷失敗談は



「危険なた・め・い・き」

です。そう遠くないうちにエントリできると思います。



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2005年09月15日

裁判所の法廷に刃物男! 意外に危険な法廷の実情って…

裁判所に刃物男が出て、暴れました。
刑事裁判ではありません。民事裁判の出来事でした。怖えええええ。



札幌高裁法廷で包丁、「裁判官殺そうと」民事当事者
 13日午後3時半ごろ、札幌市中央区大通西11の札幌高裁から、「8階2号法廷で、刃物を持った男が暴れている」と110番通報があった。
 男は約15分後、法廷横の職員専用廊下で、駆け付けた札幌中央署員に傷害と公務執行妨害、銃刀法違反の現行犯で逮捕された。この男と同署員(38)が手に切り傷を負ったが、軽傷という。
 当時、廷内には計約10人がいたが、ほかにけが人はなかった。
 男は同市西区宮の沢、無職須藤亮容疑者(41)。午後3時半から同法廷で開かれた民事訴訟の当事者で、開廷直後、「準備書面があります」と言って持っていた包丁(刃渡り約20センチ)を取り出し、法壇に上ったという。
 伊藤紘基裁判長ら3人の裁判官は別々の出口からすぐに逃げた。須藤容疑者は、裁判官を探して職員専用廊下をうろついているところを、同署員に取り押さえられた。
 調べに対し、須藤容疑者は「裁判官を殺そうと思ってやった」などと供述しているという。
 須藤容疑者は、勤めていた同市内のコンピューター関連会社と賃金支払いを巡って訴訟中で、今年5月に札幌地裁で敗訴し、控訴していた。地裁判決の際に法廷で暴れたため、同高裁はあらかじめ複数の警備員を在廷させていた。
(読売新聞) - 9月13日23時30分更新



刑事訴訟と違って、民事訴訟はあまり、面白くないので傍聴には行きませんが、ある意味、刑事よりえぐい内容の裁判もあります。(進行についての詳細?は以前のエントリ「意外に静かな民事裁判の実際」を参照で^_^;)



記事を読むと今回の事件、どうやら、廷吏(事務官)が
「平成17年○××号、○○請求事件」
と事件番号を読み上げた直後に、



「準備書面があります」




といって、もってた包丁をシャキーンと取り出し、裁判官に向かっていったようですね。
いくらなんでも、包丁は準備書面ではないと思うんですが…。





想像しただけで、怖ええええええええ。





ちなみに準備書面とは、自分の言い分を書き記した書類のこと。裁判所に提出し、法廷で「陳述します」と告げれば、裁判で自分の言い分を主張したことになります。










この場合、準備書面が「包丁」ということは…
















主張の中身は「裁判官ヌッ殺ス」ですか…















でも、裁判官を殺してやりたい理由が、「一審の敗訴判決」だったようですから、ひどい話です。高裁の裁判官はその判決を書いた裁判官ではないんですから、とばっちりもいいところです。




このあと、裁判はどうしたんでしょうか。多分、自分の主張がまったくできないまま、欠席裁判で負けちゃうんでしょうね。心証も相当悪いですし。




ほかの社の報道によると、傍聴人は1人を除いて、裁判所の警備員だったようです。一応構えはしていたせいか、裁判官たちにけがはなかったとのこと。






これまでも、法廷で当事者が暴れるケースはあり、死亡事件も起きているようです。しかし、こうしたケースは、民事事件ばかりで、刑事事件では起こりません。どうしてでしょうか。



まず、暴れそうな刑事被告人はたいてい、勾留中ですから、刑務官が両わきを固めていますし、凶器になりそうなものも取り上げられています。それは、ネクタイ、ベルトに至るまで徹底しています。自殺防止の意味合いもあるようです。だから拘置所から連れられてくる刑事被告人は、必ずノーネクタイです。
で、勾留されていない人は、暴れたら刑が重くなるだけなので、やりません。危なそうな事件では、傍聴人の持ち物検査を行うケースが多いです。一度、ヤクザの事件の傍聴で持ち物検査を受けたことがあります。その時、裁判所職員に「空港の検査とどっちが敏感ですか?」と聞いたら、「もちろん、裁判所の方が厳しいですよ」とおっしゃっていました。



一方、民事事件は、腹に一物抱えた当事者ばかりで、一見、まともそうでも何をしでかすか分からないそうです。
訴えの内容も、



「金よこせ」

「土地返せ」

「クビを取り消せ」

「子供を引き渡せ」

「心の傷を癒やせ」




などなど、ほとんどヤクザまがいの請求もあるわけです。



誤解を恐れずにいえば、裁判所が無防備なまま、有象無象の輩が来るといっても過言ではありません。民事訴訟の受付で、事務官に因縁を付ける人も時折見かけます。そこで因縁付けたってしょうがないでしょうに…



刑事事件の場合は「刑務官」というセーフティーがありますから、一応は大丈夫なようです。




ところで、東京地裁は警備が厳しく、空港のように金属探知器をくぐるそうです。これは、オウム事件の影響だそうですが…。他の裁判所でも、徐々にこういう動きが広がるんでしょうか。ま、危険物を持ち込む予定はない傍聴趣味の私は構わないんですが、煩わしいといえば煩わしいですよね…
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2005年08月29日

求刑と判決。重いのはどっち?

気になるニュースが多くて、法廷傍聴の話をしばらく、書いていませんでした。



今まで書き忘れていましたが、刑事事件の裁判(公判)の手続きは、大まかに言うと



被告人の身元確認、起訴状朗読、罪状認否
        ↓
     検察側冒頭陳述
        ↓
   検察側立証(証拠調べ、尋問)
        ↓
    弁護側立証( 同 上 )
        ↓
    論告・求刑(検察)
        ↓
     最終弁論(弁護人)
        ↓
      判決言い渡し



という手続きを踏みます。公判のハイライトは、検察側の冒頭陳述と、論告・求刑、弁護側の最終弁論につきる、といっても過言ではありません。事件の概要を最も知ることができからです。




この中で検察が行う「求刑」は結構有名ですね。
新聞記事でタマに載っている
「○○被告に懲役15年を求刑」
とか
「○○被告に死刑求刑」
とかのあれです。




求刑は検察官が「こいつにはこれくらいの刑が妥当だと思いますよ」と意見を付けることなのですが、実は刑事訴訟法で定められた手続きではありません。法律上はしてもしなくても良いことになっています。とはいえ、実際にはほぼ、すべての事件で求刑が行われています。裁判官はあくまで、参考程度にとどめ、懲役・禁固刑はその求刑より軽い刑を言い渡すケースが多いです。それを見越して、検察官は自分の意中の刑より2、3割多い求刑をするそうです。




つまり、タイトルの質問は「通常は求刑の方が重い」というのが正解です。




で、求刑通りの刑が言い渡されると、傍聴マニアの間から「厳しいなぁ」というひそひそ声が傍聴席で飛び交うこともあります。




そして、まれにあるのが
求刑より重い判決
です。




私は一度、その場面に出くわしたことがあります。産廃の不法投棄事件だったのですが、求刑は400万円の罰金刑。被告人の企業は不法投棄で一定の利益を上げており、そんなもんかなと思ったのですが、判決はもっと重く、罰金1000万円でした。









なんと2.5倍の刑の宣告です。

一瞬、私の傍聴メモが間違っているのかと思いましたよ。でも、その通りでよかったみたいです。










判決理由で裁判官は「不法投棄の罰金が軽いため、安易な不法投棄を助長している。再発防止のためには、一層重い刑が必要で、主文の刑が相当だ」みたいなことを言いました。私はなるほどーと納得したのですが、求刑した検察官の表情はさえませんでした。




っていうか、豆鉄砲を食らったかのような顔です。




その後、必死でメモを取っていました。まるで、無罪判決を食らったかのようです。きっと、帰ったら上司に報告しなきゃいけないから、大変なんだろうなぁと。ちょっとかわいそうになりました。





でも、論告では例によって、ボロクソ被告人の悪口を言ってたんですよ。(参考エントリ:検察官は「HERO」か?)そのまま死刑でも求刑するんじゃないか、ってな勢いで。







もちろん、被告人は検察官よりも

_| ̄|○

ってなもんです。罰金は400万だと思って安心してたんだろうなぁ。後ろ姿がうつろでした。「おい、400万しか用意してないのに、なんてこと言うんだよぉ。足りないじゃないか。どうするんだよ、オレ」みたいな心境なんでしょう。判決が終わった後、弁護士とがっくりした表情で話し込んでいました。







で、私はというと、「求刑より重い判決なんてスゲー」と一人で感心しきりだったという。イヤ、それだけなんですけど。ただ、検察官も被告人もil||li _| ̄|○ il||li させる判決って、滅多にないよなぁと思った次第です。たまにはあっても良いのかも。









と思ったら、私の常識の上を行く裁判官がいました。



<死亡ひき逃げ>裁判官が「求刑軽い」と異例要求 岡山地裁
 岡山地裁倉敷支部で公判中の死亡ひき逃げ事件で、懲役3年を求刑した検察側に、裁判官が「軽すぎる」として、法廷外で求刑理由などについて釈明を求めていたことが分かった。検察側はその後、改めて懲役4年を求刑。弁護側は「実質的に求刑を重くするよう命じており、訴訟指揮権の乱用」と批判している。
 起訴状によると、事件は今年3月24日に発生。岡山県倉敷市の市道交差点で、同市の解体工の男(21)が運転する車が、岡山市の女性理容師(当時54歳)の自転車に衝突、女性が死亡した。
 検察側の論告求刑公判は7月5日にあったが、翌6日、裁判官が支部に検察官を呼び「求刑が軽きに失する」と文書で釈明を求めたという。検察側は裁判官の主張に沿う形で論告を追加し、今月26日に求刑を改めた。
 弁護側は「公平な裁判ができない」として裁判官忌避を申し立てていたが、広島高裁岡山支部が棄却。公判では遺族が被告に「本当に反省しているのか」と怒鳴る場面もあったと言い、被告の弁護士は「被害感情への配慮も大切だが、判決で懲役4年を言い渡すこともできたはず。刑事手続きをないがしろにする異例の行為で、理解に苦しむ」と話している。【傳田賢史】
(毎日新聞) - 8月28日18時10分更新



判決でさらっというならまだしも、この裁判官、公判日でもない日に検察官を呼び出して「軽すぎるやん。もうちょっとつけろや」と言ったようです。相当悪質な事故だったんでしょうか。






しかも、
裁判官自ら
「てめー、反省してねーだろ(゚Д゚)ゴルァ!!」
と怒鳴りつけるとは…。
そのシーン、見たかった。私もいろんな裁判官を見たつもりでいますが、これはすごい裁判官です。






それにしてもこの裁判官、確実に、重い刑を付けるつもりですね。
しかも執行猶予無しの実刑で。
被告人のil||li _| ̄|○ il||li な姿が思い浮かびます。





これ、判決が求刑越えの「懲役5年」とかだったら、すごいだろうなぁ…。



(追記)判決は「懲役3年」でした。どうも、「求刑通り」の判決はお嫌だったようで。求刑超えならともかく、求刑通りの刑を言いたくないから、求刑を上げさせたということのようです。
正直、こういう裁判官には裁いてほしくないですね。

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2005年07月29日

不安な裁判員制度。

法務省が制作したPRビデオ「裁判員制度−もしもあなたが選ばれたら」を鑑賞する機会がありました。

saibanin-video.jpg

監督・出演 中村雅俊  
出演者   西村雅彦、加藤夏希、川崎麻世、金子貴俊、野澤太三(前法務大臣)ほか
という、贅沢なんだか節約したんだかよく分からない作品です。


ちなみに、制作者の法務省のホームページにも、脳天気な裁判員制度のPRのホームページにもこのビデオの紹介がありません! ので、ここのホームページからビデオの紹介文を引用します。

それは一通の封筒から始まった。
 平凡なサラリーマン・小林靖雄(西村雅彦)のもとに一通の手紙が送り届けられた。
「あなたは裁判員候補に選ばれました」
仕方なく裁判所を訪れると,数十人の裁判員候補が集合していた。その多くは裁判員に選ばれることに対して消極的だ。靖雄も仕事の多忙などを理由に拒否したいと考えていたが,6人の裁判員候補の一人に選ばれてしまう。裁判官と裁判員による評議が始まる。しかし,素人考えで他人の一生を左右することはできない。被告人に逆恨みされるのも恐い。評議の場は誰もが消極的で,議論は進まない。裁判員という制度そのものに疑問が向けられた時,裁判長(中村雅俊)が答えた。
「同じ社会に生きる人間として,問題を共有して考えることに意義があるんです」
靖雄たちは,裁判員として他人の事件に関わることの意義を感じ始めるようになる。戦前の一時期,我が国でも「陪審制度」が行われていた。60年以上の時を経て我が国で本格的な司法への国民参加を実現することになる「裁判員制度」。その概略をたどりながら,そこに参加するごく普通の人々を描く。



裁判員制度。どうやら2009年5月から始まるようですが、ようは、極悪人の裁判に一般人が参加し、裁くという話です。詳しくは上記の脳天気なホームページに出ていますが、いろいろな報道によると、7割の人が



「裁判員なんてやだ」

と言っているそうです。



ビデオでは、スナックでの酔っぱらい同士の喧嘩を原因とする刃物沙汰で、殺人未遂の罪に問われた男の公判を、裁判員たちが裁きます。検察側は「殺意を持って腹を刺したのは明白」と主張。被告・弁護側は「もみ合っているうちに勝手に刺さってしまった。故意で刺したのではない」として殺人未遂を否認します。で、被害者やスナックのママの証人尋問、被告人質問の内容を見て裁判員が判決する、という内容でした。
被害者は態度の悪い若者、スナックのママは派手、被告人は少しまじめな青年と、色が分かれていることもあり



「わざとこんな風に作っているだろ」

とつっこみを入れてしまいました。もちろん、心の中で。





法務省はこのビデオで裁判員制度の意義を広めたいと考えているようですが、このビデオのメーンテーマはどう見ても




いやがる裁判員を裁判長が説得しまくり、国民の義務に目覚めさせる。





…そんな風にしか見えません。法務省よ、税金使って何やってんだil||li _| ̄|○ il||li






ちなみに、裁判員制度の裁判手続きはここに書いてありますが、ビデオで見る限り、2泊3日程度で判決までこぎ着けます。めちゃめちゃ駆け足です。






っていうか、裁判員の皆さん、証拠・資料の類をまったく読んでないように見えたんですが。







…証人や被告の口先だけで事実判断するわけですか。
しかも、時間をあまりかけずに。







なんだか、冤罪事件が山ほど生まれそうな気がします。







法務省もそれに気づいているのか、ここをみると、



控訴が前提

という風にも見えなくありません。





また、自分がもし、裁判員を引き受けるとしても、問題が一つ。




ヤクザの事件での裁判員保護策です。



ヤクザに偏見を持っているわけではありませんが、彼らなら裁判員の住所を突き止めることも容易でしょうし(手下が多いから、いくらでも尾行できる)、何らかの圧力をかけてくる可能性を否定できません。まして、「家族に危害を加える」と脅されたら、私は耐えられないと思います。裁判員の保護策は今のところ、ほとんどありません。(一応、裁判員への脅迫、強要は罰することになっていますが、ヤクザにとってはション便刑でしょう)



そこをちゃんとクリアしてくれないと、やる気はあっても尻込みしますよ。やっぱ。



さらに、犯罪被害者にしてみても、タダの一般人に自分の被害をおおっぴらに知られるのはいかがなものか、と思うんですか。



参考エントリとして以下のものにリンクしておきます。
R−18指定の法廷 その1
R18指定の法廷 その2 1/2
R18指定の法廷 その33 1/3


まして、裁判員はもっと、えぐい資料を読む権利もあるんです。読むかどうかは別にして。


あと4年、どんな形で裁判員制度が始まるのか。その行方に注目したいと思います。


ちなみにこのビデオ、全国の地方検察庁(地検)が、一定の団体に無料で貸し出すそうです。問い合わせは各地検へ!
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2005年07月28日

検察審査会って

27日にこんなニュースが出ました。



<日歯連事件>山崎拓氏は起訴相当 検察審査会が議決
 日本歯科医師連盟(日歯連)が自民党の政治資金団体・国民政治協会(国政協)を通して01年に計5000万円を山崎拓前副総裁ら3人に迂回(うかい)献金したとされる問題で、東京第2検察審査会は27日、東京地検による政治資金規正法違反容疑での不起訴処分に対し、山崎前副総裁を起訴相当、自見庄三郎元郵政相と木村義雄元副厚生労働相らを不起訴不当と議決したことを明らかにした。議決は19日付。政治家の疑惑を巡り、起訴相当が議決されるのは極めて異例。
(以下略)

さて、このニュースで登場した「検察審査会」って一体、何者なんでしょうか。



固い言葉で言うと、検察官に付与された起訴権が正しく運用されているか、国民の民意を反映させるための組織で、検察審査会法で設置を定められています。




で、ありていに言うと、




検察官がある事件を不起訴にした(起訴しなかった)判断が、国民の常識にあっているのかどうかを判断する会議。




という感じでしょうか。





全国各地の地裁や、主要な地裁支部に計201カ所置かれています。会議を構成するのは無作為で選ばれた11人の審査員。選挙権を持つ人なら誰でも選ばれる可能性があります。任期は6カ月。つまり、半年に一度、改選があります。田舎の方なら結構、確率高いですね。





検察審査会が動くのは「これが不起訴はおかしい。ちゃんと事件として起訴してほしい」という申し立てを受けた場合、もしくは、新聞やテレビを見て「これが不起訴ってどうなの?」と判断した場合です。




で、会議は非公開。起訴されなかった事件について、検察から事件の資料なども取り寄せて、事件の内容を検討します。その結果、「不起訴相当」「不起訴不当」「起訴相当」のいずれかを議決します。





不起訴相当は
ま、地検が事件にならん、といったのもしょうがないね」という判断。地検は動きません。多くはこの議決です。



不起訴不当は
これが不起訴って工エエェェ(゚∀゚)ェェエエ工。これは事件でしょ。ちゃんと捜査してよ」という判断。過半数の賛成で議決になります。




起訴相当は
「これを立件しないで、なにが正義の検察官じゃ(゚Д゚)ゴルァ!! 巨悪を見逃さず、しゃきっと起訴せんかい、ボケ!」 と、地検により強く起訴を促す判断。8人以上の賛成で議決となります。これはめったに出ない議決です。





議決には法的拘束力はありませんが、不起訴不当、起訴相当が議決された場合、検察は再捜査し、再度起訴、不起訴の判断をします。




不起訴不当、起訴相当の議決の結果、検察が再捜査して起訴、懲役10年の有罪を取れたこともあります。なかなか馬鹿にはできません。




で、今回の山拓さん。めったに出ない「起訴相当」です。法的な判断はともかく、国民判断として


「山拓ぶち込め!」

ということなんです。その後の記事によると、山拓さんはずいぶん強がっていますが、心中は穏やかでないでしょう。




ただ、起訴相当が出ても、検察が再捜査の結果「不起訴」とすることもあります。何が起訴権の民意の反映だか、よく分かりません。でも、2009年の法改正で「起訴相当」の議決には法的拘束力が生じるようになるそうです。




この非公開の検察審査会、議決内容は裁判所の掲示板に掲示されます。検察審査会法で議決内容の1週間の掲示が定められているからです。容疑者名も申立人の名前も実名で出ており、事件の内容もだいたい、書かれています。





中には「自分の娘に性的虐待を加えた父親」なんて隠れた事件もあり、えぐい事件内容もそれなりに詳しく書かれていたりします。





裁判所の掲示板。



それは、検察審査会の議決以外もいろいろ貼られており、意外に侮れない存在です。








ちなみに、日本の法律では、刑事事件を起訴できるのは、検察官だけです。警察官は逮捕だけで起訴できません。よく、「罰金にまけておいてやるよ」なんて言う警察官の話を聞きますが、警察官が刑を決めるのは「越権行為」ですから。もし、そんな場面に遭遇したら「できもせんことを言うな」と窘めてあげましょう(笑)

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2005年07月22日

意外に静かな民事裁判の実際

裁判所に行くと、「開廷表」というものがあります。





表は大きく、民事、刑事と分かれているのですが、刑事事件は文字通りの意味。



民事訴訟というのは、ヨロズもめ事、と思って差し支えありません。



それこそ、慰謝料請求から始まり、

離婚をみとめろ

土地の境界線がどこだ

授業料払え

ものをこっちに戻せ

出版を差し止めろ

子供を認知しろ

相続財産をきちんとよこせ

家賃を払え

これはオレのものだ

国はイラクへの自衛隊派遣をやめろ


…。


あらゆるもめ事が法廷に持ち込まれます。ドロドロの刑事事件もすごいけど、民事のもめ事もものすごいものが多いんです。






にもかかわらず、傍聴席は一部の事件を除いてほぼ、がらがらです。






なぜか。民事訴訟は刑事事件と違って、法廷でのやりとりがさっぱり分かりません。





民事訴訟の法廷はだいたい、こんな感じです。




事務官 平成17年わ1234号、損害賠償請求事件。

裁判官 それでは開廷します。原告側は訴状を陳述、被告側は○月○日付で提出の答弁書を陳述、でよろしいですか。

原告側 しかるべく。

被告側 しかるべく。

裁判官 被告側は認否については答弁書の通りですね

被告側 はい。

裁判官 これによると、争点のうち○○は不知、○○は否認ということですね。これについて、原告側は主張されますか?

原告側 次回までに書面で主張します

裁判官 いつごろまでに準備できますか

原告側 3週間ほど時間をいただきたいのですが

裁判官 分かりました。では次回期日を指定します。○月○日はどうですか

原告側 結構です。

被告側 差し支えです。○日なら

裁判官 ○月○日午前○時はどうですか

原告側 結構です。

被告側 結構です。

裁判官 では、次回期日は○月○日○曜日午前○時から、弁論準備とします。では閉廷します









…時間は5分もかかりません。ただ、一体なんのこっちゃ、さっぱり分かりません。





ところが、裁判所の手続き上、この間に原告側が30ページ以上にも及ぶ膨大な「訴え」を述べ、被告側が40ページにわたる詳細な「反論」をしたことになっています。
裁判官の「訴状を陳述」「答弁書を陳述」という部分がありますが、あの部分だけで、裁判記録上は読み上げたことになるんです。刑事事件はすべて口頭ですが、民事は書面主義です。




時には「陳述します」の一言で300ページにも及ぶ膨大な主張が読み上げたことになることもあります。




なぜ、そこまで省略化するのかはよく分かりませんが、おそらく、すべてを口頭でやってたら、何日かかるかわからない、ということなのかなと思います。





まして、民事事件の判決は省略の極みに達します。







事務官 平成17年わ1234号、損害賠償請求事件。

裁判官 それでは判決を言い渡します。主文、原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告側の負担とする。理由の朗読は省略する。










……








たった10秒で終了です。







たとえ、判決書が100ページに及んでいようとも。






刑事事件の重大事件だと1時間以上読むこともあるわけで、その差はすごい。





たまに、傍聴人が多いと、ほんのちょっと理由を話す親切な裁判官もいますが。





しかも、当事者の出廷義務がある刑事事件と違い、民事裁判の判決は出廷義務がありません。






傍聴席も原告席も被告席も誰もいない中で、裁判長の「主文」が空々しく響くことがしょっちゅうあります。







サミシイ…サミシイヨォ…(byカオナシ)








そんなわけで、民事訴訟はなかなか、おもしろい場面に出くわしません。




ただ、証人尋問は違います。さすがに尋問は書面でやるわけにはいかないので、ちゃんと口頭でやりとりします。ただ、正直言うと、民事の証人尋問は刑事以上におもしろいこともあれば、つまらないこともあり、こんなことを言ったら怒られますが、当たりはずれが激しい。




目安になるのは開廷表の進行予定欄です。ここが「弁論」でなく、「証拠調べ(証人)」とあれば、証人尋問です。「弁論」はたいてい、書面の交換で終わるので、まったくおもしろくありません。ご注意を。

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2005年07月13日

光高校爆破事件。なんと最高刑は死刑?

6月に山口県光市の県立光高校で発生した、高校3年生による教室爆破事件で、山口地検がこの男子生徒を家裁送致しました。



刑事処分相当と家裁送致 山口・光高校爆発で
 山口県立光高校の爆発事件で、山口地検は12日、傷害の現行犯で逮捕された同校3年の男子生徒(18)を爆発物取締罰則違反(使用、製造、所持)や傷害などの非行事実で、「刑事処分相当」との意見書を付け、山口家裁に送致した。生徒は事実を認めているという。
 同家裁は同日、2週間の観護措置を決定、生徒を山口少年鑑別所に収容した。動機や背景を調査し、少年審判を開始するかどうか決める。
 地検の仁田良行次席検事は送致に当たり「爆発物を授業中の教室に投げ込み、生徒多数に傷害を負わせた悪質な事案」と指摘。「国内外でテロの恐怖感が増大していることも踏まえ、厳正な態度で臨んだ」と述べた。
(共同通信) - 7月13日0時12分更新



ところで、地検が男子生徒の非行事実とした爆発物取締罰則違反。爆発物取締「法」ではなく「条例」でもなくて「罰則」です。あまり耳慣れない「爆発物取締罰則」ですが、その内容はすごいです。



爆発物取締罰則
明治17・12・27・太政官布告32号  
改正大正7    ・法律 34号  
改正平成13・11・16・法律121号


…制定が明治時代ですよ! しかも「太政官布告」ですから。おまけに、たった二回しか改正していない! 相当古めかしそうな法律です。

第1条 治安ヲ妨ケ又ハ人ノ身体財産ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ爆発物ヲ使用シタル者及ヒ人ヲシテ之ヲ使用セシメタル者ハ死刑又ハ無期若クハ7年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス


…テキトーに口語訳すると、「(1)世の中を騒がせる(2)人をけがさせる(3)ものを壊す。この3つのどれかの目的で爆発物を使った人は、死刑、または無期懲役、または7年以上(20年以下)の懲役・禁固に処す。やらせた人も同じ」


いきなり死刑ですよ! 使っただけで。その結果は関係なし。つまり、「あいつをちょっと痛い目に遭わせてやる」とかいって、爆竹を束にして手製爆弾を作り、投げつけて爆発させたりすると、相手がびっくりしただけであっても、最高刑は死刑ですよ! 例えはちょっとタイトですが。


第2条 前条ノ目的ヲ以テ爆発物ヲ使用セントスルノ際発覚シタル者ハ無期若クハ5年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
第3条 第1条ノ目的ヲ以テ爆発物若クハ其使用ニ供ス可キ器具ヲ製造輸入所持シ又ハ注文ヲ為シタル者ハ3年以上10年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス



これもテキトーに口語訳すると「爆破計画がばれた場合、無期または5年以上(20年以下)の懲役・禁固」「爆破のための爆弾を作ったり、輸入したり、所持したり、注文した人は3年以上10年以下の懲役・禁固だ」



で、この生徒は「爆発物取締罰則違反(使用、製造、所持)」の非行事実に問われているので、最高刑は死刑! ですよ。







とおもったら、少年法により、一段階減軽されるので、最高刑は無期懲役なんですが。



ちなみにこの爆発物取締罰則、ほかにもこんな規定があります


第7条 爆発物ヲ発見シタル者ハ直ニ警察官吏ニ告知ス可シ
違フ者ハ100円以下ノ罰金ニ処ス



たった100円! 明治時代の100円なら重いのかもしれませんが、今どき、幼稚園児でも持っているぞ。100円。交通違反より軽い罰則。意味があるんでしょうか。



第8条 第1条乃至第5条ノ犯罪アルコトヲ認知シタル時ハ直ニ警察官吏若クハ危害ヲ破ムラントスル人ニ告知ス可シ
違フ者ハ5年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス



爆破計画を知ってたら、必ずチクりなさい。そうしないと懲役よ、というわけです。無茶ですなぁ。


ちなみに、この事件の審理がどうなるのか。これはほとんど明らかにならないと思います。
少年事件の場合、一義的に刑事裁判で裁くことはできないからです。少年の処分を決めるのは家裁になります。少年事件の手続きはややこしく、非公開です。


ただ、家庭裁判所が「少年を刑事処分相当」と判断したときのみ、少年が刑事裁判にかけられます。山口地検は「こいつはこんなに重い罪を犯したんだから、刑事裁判を受けさせるべきだ」と言った、というのがこのニュースの本質です。


今後も、このニュースには注目したいと思います。

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2005年06月28日

ゆかいな刑事弁護

裁判所で刑事事件の傍聴を続けるにつれ


弁護士さんって一体…


と思うようになりました。裁判官や検察官にも「色」や「味」がありますが、弁護士も負けてはいません。おもしろい人、おもしろくない人。様々です。


連続窃盗や強盗など、結構悪質な事件で、被告人も自分のやったことを認めている場合、弁護士は意外に冷たいです。ものすごくあっさりしています。中には「逆追及」、つまり、検察が聞くべきことを聞いちゃう人もいたりします。


典型的な逆追及はこんな感じです。

弁 あんた、ここにドロボーに入ったのは、間違いないんだな。
被 ハイ
弁 何で入ったんだ
被 いや、その、窓から覗いたらテーブルの上に現金が見えたので…
弁 金に困っていたのか
被 ハイ
弁 なんでだ。サラ金に借金していたと言っても、ドロボーするほどのものではないんじゃないのか
被 …ハイ。
弁 おかしいじゃないか
被 …ハイ。
弁 説明できないのか、えぇ?
被 ……
弁 自分のやったことをどう思っているの?
被 悪かったと思っています
弁 悪かったで許されると思っているのか?
被 …すいません…
弁 反省しているのか? もう二度とやらないか?
被 …ハイ…
弁 終わります


でも、弁護側最後の最終弁論ではもっともらしいことを言って、執行猶予を求めるわけですが。その辺、どういう策略なのか、私の理解を超えています。



弁護士の観察をしていて、おもしろい事件は、無罪主張事件です。

無罪主張の場合、裁判の最初の手続きで、弁護人が「●●につき、被告人は無罪です」と宣言。その後はたいてい、検察が出してくる調書を「すべて不同意」と突っぱね、証人尋問をやたらたくさん申請します。
その中で弁護士はあの手この手で、目撃証人や被告人から有利な証言を引き出そうとし、何とか無罪を勝ち取ろうとします。筋の通った主張は、聞いていて、野次馬根性を満足させるおもしろいものですが、逆に滑稽な流れで、驚愕することもあります。


ある、殺人未遂事件ですが、被告人質問がこんな感じでした


弁 それじゃぁ、質問します。
 今、あなたの頭に電波が飛んできていますか?

被 ああ、そりゃあもお、いっぱい飛んできています

弁 電波は何か声を出していますか
被 なんだか、いっぱいしゃべっています
弁 どんな声が聞こえますか
被 一人は若い女、もう一人は関西弁の中年男、あとは男が二人くらい。めいめいに私に命令してきます。
弁 関西弁はどんなことを命令しますか
被 タイガース優勝だ、と叫んでいます。


…終わってから一応、開廷表を確認しました。被告人の容疑に電波法違反はなかったです。

この裁判は、被告が精神障害者だったとして、刑事責任能力がなく、刑法39条に基づき無罪だ、という主張でした。

刑法第三十九条 心神喪失者の行為は、罰しない。
        2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。


この規定で、精神障害者などは「心神喪失」または「心神耗弱」に当たるとされています。しかし、めったに適用されません。

この「電波」以外にも

「霊が見える」

「●●(被害者)の姿をしたゾンビを殺しただけ。●●は殺してない」

「どこからか私に命令する声が聞こえる」



など、「39条言い訳」は千差万別。弁護士も渋々付き合っているのか、本気で付き合っているのか、よく分からないときもあります。ま、プロたるゆえんですが。


あ、そうそう、「行列」の橋下センセのような、タイトな文言を言う弁護士は、法廷では見たことがありません。もし、アレをやったら、全部負けるでしょうね(^_^;
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2005年06月17日

傍聴席ウオッチング

刑事事件の公判、民事事件の弁論はすべて、公開されています。誰でも傍聴できます。


それこそ、有名な殺人事件から、交通違反で起訴された案件まで。
あるいは、国を相手取った損害賠償請求訴訟から、離婚訴訟まで。


あらゆるもめ事が、公開で審理されているとも言えます。(正確にはちょっと違うのですが)


中には「人気」の訴訟もあって、傍聴が抽選になることもしばしば。
オウムの麻原彰晃の公判では、ものすごい大行列が出来たことがニュースになりました。



仕事柄、いろんな裁判を傍聴するのですが、事件によって傍聴席の様相も変わるので、これを観察するのも一興です。


刑事裁判の場合、その多くは傍聴席が空っぽです。たまに、当事者(被害者)がいたり、被告人(加害者)の身内がいたりするだけ。ものすごいシリアスです。
ギャラリーが多く集まる事件は、殺人、強姦、DV防止法違反、児童買春禁止法違反など、罪名がおどろおどろしい事件や、発生時に大きく報道された事件です。オウムの麻原彰晃のように、傍聴券を抽選する場合があります。



また、無罪主張している事件も、被告人の友人や「支援者」の人々が多く詰めかけます。
この「支援者」がくせもので、検察官のやり方が乱暴だったり、裁判官が弁護側の意見を聞こうとしなかったりすると、ヤジを飛ばしたりし、弁護側が頑張ると拍手したりするなど、マナーが悪い。裁判官の心証を悪くすること請け合いだと思うのですが、あまり自覚がないようです。


ちなみに、傍聴席ではみだりに発言したり、拍手したりすることは禁止されており、裁判官に退廷を命じられることもあります。




傍聴席にみょーな緊張感がみなぎる事件もあります。

それは、ヤクザがらみの事件。拳銃密売とか、覚せい剤密売などの事件では、全身から「俺はヤクザだ、文句あんのか」というオーラを放ちまくっている人が傍聴席を陣取ります。夏場は、半袖シャツの下からモンモンが見えて、めちゃめちゃ怖いんですけど。

ヤクザが法廷に来る理由は、捕まった子分が法廷でよけいなことをしゃべらないか、見張るため、とも言われています。拳銃や覚せい剤は組織がらみですから、「上」の関与をべらべらしゃべられては困るのでしょう。被告人が入退廷時におじぎであいさつするのは言うまでもありません。

ところが、ヤクザ屋さんは裁判の進行がかったるいと感じるのか、よく寝てます。
いびきをかいて寝ている人もいます。
たまりかねた裁判官が


「そこ!法廷は寝るところじゃない(゚Д゚)ゴルァ!!」


と注意することもあるくらいで。指摘されたヤクザは、ばつが悪そうに出て行きます。



児童買春事件では、たいてい、児童相談所の職員と思われる人が来ています。児童買春は多くの場合、家出した少女が補導され、「どうやって家出期間を過ごしていたのか」と追及されて、自分の売春を告白し、その少女を買ったスケベな男が次々と捕まる、という仕組みで検挙されるため、児童相談所の職員も事件の推移を傍聴し、上に報告しなければならないのかな、と推測しています。



女の子がたくさん、詰めかける事件もあります。

それは、被告人が「イケメン系」の事件。
私が以前、傍聴した暴走族の事件も、傍聴席は女の子だらけでした。被告人はハーフのイケメン。暴走族のリーダー格だったようで、もともと、ファンが多かったようです。妙に胸の谷間を強調したワンピースを着たケバい女の子が傍聴席の3分の2を占拠し、法廷がファンデーションやら8×4のニオイやらで満たされ、法廷から目を背けると一瞬「風俗店にいるのでは」と錯覚を覚えるほどでした。

もちろん、女の子たちの目当ては被告人なので、ナンパは無理だということを付け加えておきます(^_^)



話題になっている「手錠監禁男」の小林被告は「イケメン」系のようです。すでにネット上では彼のファンクラブもできているとか。初公判はきっと、女の子だらけになることが間違いないでしょう。



民事事件の法廷については、またの機会に。
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2005年06月14日

検察官は「HERO」か?

検察官もいろいろ。


刑事裁判で、被告人の刑事責任を追及する検察官。捜査権限も持ち、東京地検特捜部は数々の巨悪を立件してきました。秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)を旗印に、真実と正義の実現を目指す彼らですが(大げさすぎ?)法廷での彼らを見る限り、


どんな人も「これでもか、これでもか」といわんばかりに悪人に仕立て上げ、些細な罪も巨悪がごとく主張する存在


としか映りません。


いや、確かに悪いヤツはいます。極悪なヤツもいます。また後日、エントリーしますが
「お前、死刑だよ」と傍聴席から叫びたくなるヤツもいます。そういうのは、いくらボロクソ言ってもいいです。
でも、中には被告人に同情の余地があるしょぼい事件もあります。そういう事件で「こいつは極悪人です」とか暗に主張されると、「おまいさん、そりゃ言い過ぎだろ」といいたくなります。

例えば、ある業者が、自分の会社の敷地内に、許可をもらわずに事務所のごみを大量に埋めていた事件。罪名は「産業廃棄物処理法違反=不法投棄」。ごみは書類や事務用品など、環境にはさほど影響のない物で、悪臭もなし。近くには住宅はなく、工場があるだけで、限りなく他人に迷惑をかけていない事件でした。動機は「産廃業者に出す金がなかった。長年やってた」というものだったようです。

 検察 なんで、きちんとごみに出さなかったの?
 被告 経費を節約しようと思って…
 検察 でも、10年以上やってたんでしょ? 何でやめようと思わなかったの。
 被告 はい。景気が悪くて、経費節減を迫られて仕方なく…
 検察 自分の敷地内に埋めても法律違反になることは知っていたんでしょ?
 被告 …はい
 検察 終わります。

その後、弁護人からの質問を行いましたが、本当に反省している様子です。しこたま溜め込んだごみは、借金するなどして、すべて適正に処分したことや、近所の工場にも謝罪し、険悪なムードになっていないことも分かりました。そして、今後、2度とやらないこと、産廃業者に定期的なごみの回収を依頼することなどを誓約しました。雰囲気としては「ここまで反省しているなら、ま、執行猶予くらいでいいんじゃないの」という感じです。

証拠が出そろい、証人尋問や被告人質問などが終わって、検察官が「論告・求刑」を行うことになりました。この論告(検察官の意見)が

「会社の経費を節減するという自己中心的な動機に酌量の余地はない
「長期間、常習的に繰り返した、卑劣で悪質な犯行
「法令違反を知りながら、不法投棄し、被告人には遵法意識のかけらもない
「会社の敷地の目立たないところで犯行に及んでおり、再犯(またやる)の可能性も十分にある」
「今回は環境被害は免れたものの、一般予防の見地から、厳重な処罰が必要である」

などというものでした。それで、どんな求刑をするのかと思ったら



「懲役6カ月を求刑します」



…あれだけボロクソ言っておいて、そんなもんかい! と心の中でつっこみを入れてしまいました。


この裁判は予想通り、執行猶予がつきました。裁判官も判決後、「あなたの会社は十分実績を上げて、社会に貢献している。今回のことは水に流すわけにはいかないが、今後もますます社会に貢献し、それをもって償いとしてほしい」と説諭しました。それほど、悪質な事件じゃないけど、お灸は据えるよ、という判断だったようです。




一方、弁護士よりもソフトに接する検察官もいます。あくまで法廷の中の話ですが。

弁護士が「あんたこんな悪いことしたんだろ。反省してんのか。よけいな弁解なんかするんじゃない」と詰め寄る中、検察官が

「この件では、どのような事情があったのか、もう一度端的に説明してくれませんか」

とソフトに迫ります。結構、コロッと話してしまう人が多いです。


そんなことを言いながら、論告ではボロクソに言うんですが。

検察官の論告での常套文句は

「極悪非道」

「悪辣」

「鬼畜のごとし」

「被害者の処罰感情は峻烈」

「用意周到で狡猾」


などで、悪い犯罪になるほど、これら多用します。



検察官も法廷でないところでは、被告を相当ゴリゴリに責めるようです。
法廷でしばしば、被告人が「こんな目にあった」と暴露することがありますが、それは別のエントリであらためます。



ちなみに秋霜烈日とは、「秋の霜が一夜にして草木を枯らしたり、夏の灼熱の太陽の日差しが厳しいことから、刑罰・権威・意志などが非常にきびしく、またおごそかであることのたとえ」の意味だそうです。

検察がただ厳しいだけで、世の中が良くなるならいいんですが、あまりに厳しすぎる姿は、共感できません。
「冬の強風」よりも「夏の太陽」でシャッポを脱がせることで、犯罪者を更生させてもいいんじゃないかな、と思ったりするわけです。犯罪が減れば、社会正義の実現に近づくわけですから。どうなんですかね?
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2005年06月12日

クールビズが話題ですが…

裁判所とクールビズ


なんだか、国を挙げてノー上着、ノーネクタイの「クールビズ」を流行させようとしています。
行政はおろか、議会もみーんな「クールビズ」。役所でネクタイしているのは出入りの業者くらいのものでしょうか。


ところで、裁判所はどうかというと、政府の「音頭」などどこ吹く風。少なくとも私の住む地方都市では、検察官、裁判官、弁護士とも、上着、ネクタイをびしっと締めています。

裁判官は法衣をまとっていますから、上着の存在は確認できませんが、どなたも上等そうなネクタイを締めておられるので、それなりの格好をしているのでしょう。そして、法衣の素材は上等な羽二重。しかも黒。いくら薄手でも暑いでしょうね。気のせいか、法廷はクーラーの効きがよいようです。


弁護士は開廷時こそ、きちっとしていますが、当事者尋問、被告人質問など、自分の出番になると、いきなり上着を脱ぐ人もいます。
中には腕まくりまでして、戦闘態勢十分!という雰囲気を演出する人もいます。

また、女性弁護士の中にはを着てくる人もいて、驚かされます。

一方、検察官は、びしっとしたスタイルを崩しません。プライドがあるんでしょうか。本音のところを聞いてみたいものです。


そうそう、法廷で別の意味で「クールビス」とまったく無縁の人がいます。

拘置所の職員と刑事被告人です。


拘置所の職員は男性も女性も暑苦しい制服姿です。ほんと、大変そうですが、しょうがないんでしょうね。これも威厳を保つためでしょう。
また、多くの刑事被告人は、拘留中はスウェットスーツかジャージの上下。たまに作業着の人もいますが、これは「別件で有罪判決を受け、服役中」の人です。
保釈された被告人や在宅起訴された被告人は、イメージを考えてか、スーツをびしっと決めてきます。

ただ、拘留中の刑事被告人がスーツをビシッと決めてきた例もみたことはあります。
その事件は被告人が無罪を主張しており、審理が長引いて、ようやくその日が被告人質問の日。いつもは黒いアシックスのジャージ上下だった被告が、いきなり紺の三つボタンのスーツを着てきました。裁判長も面食らったのか

「その格好は?」

と尋ねると被告人は胸を張ってこう答えました。

「被告人質問用に差し入れてもらいました!」


…いや、聞く方も聞く方ですが、答える方もなんだかなぁ…
ま、堂々と無罪主張されていたんですが。

この裁判がどうなったかは、ここでは触れないことにします。


どうやら、役所や図書館などでは、クーラーの温度が例年より上がりそうです。物足りない、と思った方は裁判所の法廷がおすすめかもしれませんね!?
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2005年06月08日

裁判官も人間っぽい

裁判官の「ひとこと」


法廷の一段高いところに、鎮座まします裁判官。
羽二重の法衣をまとい、格調高さ、厳かさを醸し出しています。
何せ、人の人生を左右する判断を迫られることも多いわけです。
ちゃらんぽらんでは困りますから。


ところが、裁判官も人間です。いろんな個性があって当然。
その個性は、刑事裁判では被告人質問や判決後の説諭で突如、現れます。



強制わいせつ事件の公判での話。

その事件はいい年こいたおっさんが、小学生の女児の体を触るなどいたずらした、という事件ですが、被告人のおっさんは「合意だった」と犯意を否認していました。(ちなみに、13歳未満へのわいせつ行為は、合意でも罪になります。ま、当たり前ですが)

被告人質問で、被害者の女児が「イヤッ」と言っていたことが判明し、被告人は「そんなにいやがっている感じの言い方ではなかった」と言い訳しました。

その瞬間、裁判官は被告人にこう、言い放ちました。


「あなたもいい年なんだから、子供の『いやだ』と大人の『いやだ』の区別ぐらいつくでしょ」


…いや、大人でも嫌なものは嫌だと思うんですが…
「いやよ、いやよも好きのうち」とは男の身勝手な言い訳だ、と言うべき場面ではないのかなと…



万引事件の判決公判での話

その主婦は、いろんなところで万引を繰り返し、警察のお世話になってるようでした。
判決は、実刑。前回の有罪判決の執行猶予が取り消され、合わせて服役することになりました。
判決理由について、朗々と読み上げ終えた裁判官が、最後に付け加えた一言が


「あなたは今後、一人で買い物に行っちゃダメだ。またやっちゃうから」


…実際、そうなのかもしれないけど、いくらなんでも、そこまで言うか。



珍?事件の判決で

仕返しをしたいと思っていた相手が、警察に捕まり、留置場に入ってしまったため、自分も留置場に入ろうと、居酒屋で無銭飲食をし、わざと捕まった男の判決。罪名は詐欺ですが、判決言い渡しを終えた裁判官の一言が


「正直言って、いくらなんでもそこまではやらんだろう、というのが裁判所の感想だ」


ほんと、正直だなぁ。傍聴席の面々も「うんうん」とうなずく人が多かったなぁ。
ちなみにこの瞬間、被告人は文字通り il||li _| ̄|○ il||li 状態でした。
ま、自分でもそう思っているんでしょう。きっと。




えらそうにしていても、なんだかんだと人間っぽい裁判官。ウオッチしていて飽きません。
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2005年06月07日

能書き

事始め


「ブログっておもしろいよ」


いろんなところで聞くようになりました。ブログから生まれた本もあります。
2ちゃんねる生まれの「電車男」もあるくらいだから、それくらいあってもいいでしょ。
そいえば、佐世保の事件ではブログをめぐるいさかいが発端でしたっけ。
ところが、私、先月まで、ブログについて


全然、興味ありませんでした(^_^;


いやまじで。昨日まで「トラックバックって何?」って感じでしたから。
けどまぁ、いろいろ徘徊してみるとおもしろい。しかも、同業者の実名ブログもある。おまけに、どうやら書いている内容から同僚のブログらしきものにもたどり着いた。なんだか、みんな楽しく書いているなあ。と拝読。で、気が付くと「ブログ作成」のボタンを押していたわけで。


とりあえず、普段書かない話を書こうと思います。
今のところ、裁判の傍聴話・観察記をメーンに。更新は気まぐれで。




裁判の話について


仕事の都合上、裁判を傍聴する機会が多いです。
実のところ、裁判って失礼を承知でいうと

めっちゃくちゃおもしろい

ですよ。TVドラマで出てくる法廷ほどの演出はないし、おどろおどろしているし。
ただ、傍聴している人は、タダの傍観者ですが、法廷の中にいる人にとっては人生かかっていますから。書くとヤバイことも多々あります。


で、このブログで、裁判の話を書くときは、日付、場所、人名など、個人の特定につながりそうな情報はすべてごまかすことにします。民事、刑事事件とわずです。その日の出来事でないことを、今日みてきたかのように書きます。そういうことにしないと、何が元で訴えられるか分かりませんからね…。
実際、

想像を絶する低レベルなイチャモン付けで裁判を起こす人もいます。

例えば…の話はしません。怖い世の中ですから。

ただし、ニュースネタについては第三者的に論評することはあります。

能書きはこの辺にして、次回以降、気ままにやっていこうと思います。
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