2009年04月29日

「スーパーアグリ伝説」今宮雅子 東邦出版

あの、「 『スーパーアグリF1チーム』全戦密着現地直送ブログ」が書籍化されました。

写真も盛りだくさんで、読み応え十分です。佐藤琢磨ファンは必読の一冊なり!


スーパーアグリ伝説スーパーアグリ伝説
今宮 雅子

東邦出版 2009-03
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著者はもちろん、今宮純さんの妻にしてモータージャーナリストの今宮雅子さん。

ブログでも「琢磨ファン」目線で現地の模様を余すことなく伝えてくれましたが、その思いが活字を通じて、改めて読むものの胸を熱くさせます。

前半は琢磨のインタビューを中心に全面的に書き下ろしで、後半はブログのエントリの転載です。そして、最後の3章の「鈴木亜久里の挑戦、そしてスピリット」「ホンダはスーパーアグリに何を望んだか」「純粋琢磨主義、純粋スーパーアグリ主義」の書き下ろしが続き、エピローグで終わりです。
今宮さんのスーパーアグリ、そして佐藤琢磨への熱い思い入れがギュウギュウに詰まっている、といえるかもしれません。

3年落ちのアロウズA23を改造して参戦にこぎ着けた2006年。あのころ、オイラたちファンは「早く新車を!」と、SA06の投入を心待ちにしていましたが、琢磨は「なんとかSA05に花を持たせたい」と思っていたそうです。チーム創成期に苦労を分かち合ったじゃじゃ馬。遅いけど、チームのよき相棒。SA05は良くも悪くも、チームの「トレーニングマシン」だった…、と今宮さんは語ります。

スーパーアグリの快進撃にわいた2007年。あの、バルセロナの「初ポイント」。そして、モントリオールでのあの、オーバーテイク。今宮さんはあえて、琢磨の語りからそのシーンを紡ぎました。

そして、悪夢の2008年。撤退。常に私たちファンの目線で今宮さんは取材し、語り部として伝えてくれました。残酷な現実も、醜悪な舞台裏も。

最後の書き下ろし部分では、ホンダのF1撤退劇などをスーパーアグリの撤退と重ね、丁寧に解説しています。そして、佐藤琢磨に対する熱いエールも忘れません。その一文を紹介しますと…


「2009年のF1が佐藤琢磨を必要とするときは間違いなくやってくる。暗い世相を吹き飛ばすため、彼が放つオーラが不可欠になってくる−−琢磨が走らない鈴鹿など、誰が想像できるだろう?」(249ページより)


激しく同意!!!!!

赤牛2号に金で乗ったセバスチャン2号とか、ルノーのピケJrとか、とっとと降りて琢磨にそのシートを譲りやがれ!

なんだか今年のF1は、泥棒ロス茶チームの全損・馬豚が開幕4戦3勝なんていう、訳の分からないことになっていますが、こういうときにこそ、琢磨が必要なんだ! そうはおもわんかね? 赤牛のマテシスさんよ。


さて、話を元に戻して、この本の読後感ですが、やっぱり、一つの思いを新たにせざるを得ません。









それは…











肉揚への殺意です!(爆)







ヤツだけは許せん。亜久里さんの思いを、琢磨の情熱を全部、台無しにしやがった。
おまけにホンダからマシンを泥棒しやがった。


このハエ野郎がF1にのさばる限り、F1に明るい未来はない!
そうは思いませんか? 少なくとも今宮さんの本の行間からは、そんな思いが伝わってきましたよ。ええ。

というわけで、琢磨ファンは絶対に買いましょう(爆)



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2009年04月13日

「警官の紋章」 佐々木譲

当ブログで多分初めて、ハードカバーの本を取り上げます。

警察小説では横山秀夫と並ぶ、「書き手」の作品です。

警官の紋章警官の紋章
佐々木 譲

角川春樹事務所 2008-12
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この本、実は「笑う警官」「警察庁から来た男」(いずれもハルキ文庫)につぐ「道警シリーズ」第三弾です。

プロローグは、第一作「笑う警官」の物語の直後の時期に、ある道警幹部が自殺を遂げる場面を生々しく描きます。

そして物語本編は北海道洞爺湖サミットの直前で、厳重な警備体制が敷かれつつあった北海道が舞台です。プロローグで自殺を遂げた幹部の息子もまた、北見で警官をしていたが、サミット特別警備結団式の直前、制服で拳銃を携行したまま、行方をくらます。しかも、管内では猟銃を積んだ自動車まで盗まれていた。一体、何が目的で姿を消したのか。刑事たちが彼の行方を追う中で、彼の父の自殺の真相が、道警銃器対策課の刑事による不祥事「郡司事件」の中にあることを探り出す。そして、彼の真の目的が「復讐」であることもあぶり出した。「郡司事件」、そして「大規模ランクル窃盗団事件」などが複雑に絡み合う事件の構図とは。そして、彼の復讐の標的は誰なのか−。

第一作で道警幹部が謎の自殺を遂げているが、その意外な真相も明らかになるこの作品。シリーズを読んでいるなら、見逃せない!


そんな感じです。

北海道の人なら「稲葉事件」を覚えている人は多いんじゃないでしょうか。
ある会社役員の自首(後に札幌拘置支所で自殺?様の状況で死亡)で、道警銃器対策課の稲葉圭昭警部が覚せい剤に手を染めていたとして逮捕。その後、拳銃摘発のおとり捜査、やらせ摘発、覚せい剤の密売など、さまざまな疑惑が取りざたされ、その真相は稲葉警部の個人的犯行ではなく、道警の組織的な関与があって稲葉警部や上司(稲葉警部逮捕後に自殺)らが詰め腹を切らされた、とも言われる事件です。この物語では稲葉事件をそのままなぞった「郡司事件」を背景に、一時期北海道をにぎわしたRV窃盗団事件(RVを盗んでロシアなどに転売していた事件)も交えて、スリリングに展開します。

キーマンとして登場する警察官は、佐伯、津久井、小島の3人です。佐伯はニヒルでいて人情味あふれる警官。リーダーシップが売り。津久井はかつて郡司警部の下で働き、警察の暗部をみてきた若者。道警裏金問題を告発した後、閑職に追いやられていた。小島はツンデレな婦人警官。絶対佐伯にホの時だろ。みたいな感じです。

彼らがまったく別の部署にいながら、妙に息のあった連係プレイを見せるのも見せ場の一つ。ハードカバーの本で買っても、十分お腹一杯になれます。

できれば、シリーズ作を先に読んでから読みたい、そんな一冊です。


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2009年04月12日

「サマヨイザクラ 裁判員制度の光と闇」<下>郷田マモラ

以前のエントリ「「サマヨイザクラ 裁判員制度の光と闇」<上>郷田マモラ」でも紹介した漫画の下巻が出ましたので早速買って、読んでみました。

結論から言って、裁判員候補者に選ばれている人は絶対読むべきです。

ていうか、裁判員候補者のテキストにすべきですわ。

そんくらい、いってもいい、会心の出来です。

サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (3) (アクションコミックス)サマヨイザクラ 裁判員制度の光と闇 下  (アクションコミックス)
郷田 マモラ

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オイラがこうした、続編の漫画を紹介することは珍しいんですが、それくらいすばらしい出来でした。

物語は5日間の裁判の休廷日から再開します。

主人公たちが裁判員として関わることになった事件は、「根古田観音丘殺人事件」。28歳の引きこもりの男が、近所の主婦3人を刃物で次々と刺し殺した−として逮捕、起訴されています。
男は逮捕当時は否認していましたが、近所の子供の目撃証言を突きつけられると、とたんに容疑を認め、事件の全容を供述します。
ところが、弁護人は、男の一家が被害者の主婦らから地域ぐるみで長年、いやがらせを受けていた事実を、被害者家族らの証言を元に立証し、「近所の『集団の悪』こそが被告人を追いつめ、犯行に走らせた」と主張。死刑回避を訴えます。
しかし、被告人の母親は証人尋問で「息子を死刑にして」といい、被告人はは「私のやったことは許されることではない。どうか死刑にしてください」と述べます。

主人公はある事情からネットカフェ難民になった28歳のしがないフリーター。主人公と被告人、そして●●●はあるアニメのファン、という共通点がありました。このことが後にものすごい伏線となって効いてきます。

上巻では3日間の審理の終了後、土日の休みで終わりました。下巻では審理が再開されるやいなや、意外な展開を迎えます。その日の新聞の朝刊で「裁判員制度に穴 守秘義務破られる」との大見出しが。この事件の裁判員の誰かが守秘義務を破り、家族に評議の内容を話した、との内容の記事でした。この記者のやり口もえぐいんですが、このことにより裁判員が一人、入れ替わりになります。

その後、審理が続行され、証人尋問と論告求刑、最終弁論、被告人の最終意見陳述を経て結審。検察側は死刑を求刑し、弁論で弁護人が死刑回避を訴えました。

そしていよいよ、最後の評議が始まります。

死刑か、回避か。裁判員、裁判官がそれぞれ、意見を述べ合う中で、主人公や裁判員たちの心は揺れ動きます。人一人の命を左右する判断を、投票によって決めなければならない。あまりに重い、重すぎる決断。果たして、どんな思いを込めて彼らは一票を投じるのか。それらの心理描写はこの作品の最大の見所ですが…。


最後にとんでもない、どんでん返しが待っていました。まさか、こんなことが…。
実際に起こったら、ショッキングだろうなーというできごとです。でも、決して漫画だからならではの展開ではありません。
実際に、あり得るどんでん返し、ともいえます。はっきりいって。
でも、実際にこんなことが起こったとき、裁判員はちゃんと判断を下せるのか。多分無理だろうなぁ。

裁判員の闇とは何か。光とは何か。作者なりの答えが、このどんでん返しと結末なのだと思います。


え?何を言ってるか分からない? いや、ここは物語の核心なので(^_^;
いいから読みましょうよ。ぜひぜひ。

で、この作品が5月にもフジテレビがドラマ化するそうです。

主人公が伊藤淳史って…思いっきり「電車男」のイメージそのままですヤン。

そっちにはあまり期待しなくてもいいと思うのですが、それにしてもだらしないのが最高裁。

何億円も税金を投入した裁判員啓蒙ドラマ映画なんてちっともおもしろくないし。
役にも立たないし。

こういう漫画の方がよっぽど役に立ちまっせ。

最高裁にあえて言おう。






カスである、と。凸(゚Д゚#)


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2009年02月26日

「サマヨイザクラ 裁判員制度の光と闇」<上>郷田マモラ

久々の読書感想文は、またまた漫画です(^_^;

これはぜひ、皆さんに読んでみてほしい漫画です。

サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 上 (1) (アクションコミックス)サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 上 (アクションコミックス)
郷田 マモラ

双葉社 2008-10-28
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郷田マモラさんは、死刑囚と新人刑務官の心の交流を描いた漫画「モリのアサガオ」(全7巻)でも知られます。

主人公はいわゆる「ネカフェ難民」の28歳男。日雇い派遣で食いつないでいるが、そろそろ限界かも。そんなとき、実家に彼宛の「裁判員呼び出し状」が届いた。そして、あれよあれよという間に裁判員に選任される。「裁判員になることがきっかけで、このどん底から抜け出したい」。そんな風に考えていた。

集まった裁判員は老若男女、一癖もふた癖もありそうな人間がそろった。被告人は近所の主婦3人を刺し殺した引きこもりの男(28)。罪状は殺人。死刑求刑も予想された。

審理が始まったが、事実関係に争いはなく、犯行に至る経緯が最大の焦点となっていく。果たして弁護側のいう「集団の悪」の事実はあったのか。

そして裁判が続く中で、事件の背景と主人公の暗い過去とが複雑に交錯していく−。


オイラ流にプレビューするとこんなところでしょうか。

キャラも個性的です。主人公はネカフェ難民ですが、その他の裁判員も…
*空気読めない突っ走り女子大生*天然ボケのおばあちゃん*ビビりっこの泣き虫主婦 などなど。
裁判官も守秘義務を守れないし、検察官はイヤミなめがねブタだし、弁護士もなにやら、江川招子っっぽいし。

でも、裁判官や検察官の言動、描き方はリアルですね。裁判を傍聴していると、いますよ。この手の手合いが。

下取材がしっかりしているのか、場面場面がとてもリアルに描かれています。5月以降は、ホントにわれわれ市民が裁判に参加することになるんですが、それをバーチャル体験できる漫画、といっても過言ではありません。主人公の揺れ動く感情、意外な方向に進む裁判、この結末はどうなるのか、ぐいぐい引き込まれます。

最高裁の何億円もかけたPR映画よか、よっぽどためになりますよ。ええ。


今は何より、<下>の発売が楽しみです。


特に、裁判員候補者名簿に載っている方は、是が非でもご一読あれ!

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posted by こめろんぐ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(1) | 気まぐれ読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月20日

「こんたん」「さしがね」(杉澤和哉著、Nanaブックス)

今回は、いろんな意味でちょっと変わった小説を紹介してみます。


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starとにかく全てが規格外
star破天荒な内容とリズムの良い文章を両方とも味わえる

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さしがね―ザ・エンターテインメント小説 (Nanaブックス (0064)) (Nanaブックス (0064))杉沢 和哉

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おすすめ平均 star
starバカバカしく面白い。そんな小説、そうはない

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何が変わっているって、まずはその装丁です。縦210ミリ(A5判と同じ)に対し、幅が103ミリ(新書判と同じ)という、超縦長の大きさとなってます。変形判にもほどがある! 本屋さんで「カバーつけてください」と頼んだら「無理です」と断られました(マジ)

それはともかく、この2冊はシリーズもので作者の杉澤君のデビュー作です。(同時出版) 一応、時代小説ということになるんでしょうけど、冒頭にいきなり、こんな注意書きが。


caution!
正統派時代小説を愛する皆様へ
本書は、あなたの正常jな読書経験を阻害する恐れがあります。
おかしいな、と思ったらただちに読むのをやめ、その他のまっとうな時代小説をお読みください。


てか、タバコの下半分か?これは。

まあ、実際のところは、時代小説風にアレンジされた、テンポのよいギャグ小説です。

時は享保、八代将軍徳川吉宗の治世。場所は江戸城下。北町奉行所の定町廻り方同心・舞田(まえだ)慶之進とその仲間たちが、花の大江戸を大いに暴れ回ります。

登場人物、まともな人間がいません。

主人公の舞田慶之進は、超無責任男。同心のクセに昼から酒を飲み、吉原に入り浸り。
サブキャラの杉崎主左介(なんと読むかは本を読んでみましょう)は将軍直属の隠密で剣の達人だが、平和ボケ中。なぜか人妻にモテモテ。
岡っ引きの朋吉は「エロオヤジ」。
生臭坊主の修禅は、「惚れ合えたらただちに結ばれる」という「ほれむすの世」を提唱。
なぜか、街中にお忍びで現れ、奇妙な行動をとる将軍吉宗。

まともな人物は、敵役と町娘だけ。なんつー時代小説だ。

さて、物語の話ですが、

「こんたん」は、「世直し一念党」を名乗る集団による連続辻斬り事件を巡るどたばた活劇。果たして一念党の陰謀の真実とは。そして将軍吉宗の運命はいかに−。

「さしがね」は、江戸で続発する「美女行方不明事件」をめぐる捕り物帖? そこに錯綜する柳生、伊賀の忍びたち。犯人の真の狙いとは何か−。

いずれの話も、そこにラブコメと不条理ものの要素も加わり、随所にちりばめられたテンポのよいギャグで、ぐいぐいと読み手を引きつけてきます。気がつくと大団円だったりして。

正直、おもしろいです。こんなに型破りの時代小説を読んだことがありません。

果たして、秘密奥義「祇園落とし」とは? 秘技「まねき黒子」とは? 

とにかく、いろいろ楽しめるエンターテイメント小説といえるでしょう。正統派時代小説を読みたい人には勧めません。純粋に「読んで楽しいモノ」を求める人にお勧めしたい一冊です。


で、オイラが冒頭、「作者の杉澤君」と書いていたのを覚えていますでしょうか。

実はこの杉澤君、オイラが学生時代、つるんでいたこともある友人だったりします(^_^;

かれこれ15年以上前、釧路で学生をやってたころ、オイラのバイト先にいたのが彼でした。
職場で何となくウマが合い、ちょくちょくつるんでたんです。
そのときから、彼はワープロで小説を書いてましたね。(パソコンが全然普及してなかったころです)
その時も「舞田慶之進もの」でした。だから、オイラには懐かしさすら感じた小説でした。


アキバの本屋さんでもぜひ、売って欲しいです( ̄ー+ ̄)ニヤリッ


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2008年02月12日

田中将大 ヒーローのすべて(黒田伸著、北海道新聞社)=ちょっと追記

ハイ。全国的には人気。東北以北では超大人気。ご存じ、田中マー君の本です。
1400円にしては出来がいい。田中君ファン必見です。

田中将大 ヒーローのすべて
田中将大ヒーローのすべて黒田 伸

おすすめ平均
starsとてもおもしろかったです

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グラビアページでは、甲子園で吠える田中君だけでなく(オイラはあえて、マー君とは呼びません。だって、甲子園の時から「田中君」なので)、リトルリーグ「宝塚ボーイズ」の頃の、キャッチャー姿の田中君、もっとチビっ子の頃のバットを振り回す田中君など、秘蔵写真がたっぷりです。子供の頃からあんな顔だったんですね。田中君。

著者の黒田さんは北海道新聞の記者です。高校時代からずっと追っかけて取材をしてきた、その目線で田中君のこれまでの野球人生を描いています。

関西在住なのに巨人ファンだった幼少期。宝塚ボーイズで培った負けん気、そして偶然に決まった駒大苫小牧への進学、そして甲子園での活躍と名勝負、栄光とどん底。「楽天社長、空気読め」ドラフト(爆)、そしてプロ野球新人王獲得…。

田中君の必殺・高速スライダーの誕生秘話は、関西人には意外な話かも(^_^;

やはり圧巻なのは、あの夏の甲子園決勝戦の場面。高熱を押して甲子園を戦い抜いてきた田中君と、前年の神宮大会での完敗の雪辱を期して勝ち上がってきたハンカチ・斎藤。力と力、気迫と気迫のぶつかり合い。あのときの息詰まる接戦が甦ってきます。

意外な事実も。ドラフト前日の寮のおばちゃんとのやりとり。「ホントに入りたい球団をこの色紙に書きなさい」と聞くおばちゃんが差し出した色紙に、田中君は「巨人」と書いたとか。この色紙は封印されているそうですが…。「日ハム」って言ってほしかったなぁ…。

これ以外にも、随所に「田中君裏話」が満載。特に、甲子園での「ハンカチ・斎藤がスクイズを読んで外したとされるあのワンバウンド投球」についての、スポーツライター木村修一さん(故人)とのやりとりはおもしろい!

また、あの夏の駒苫快進撃に感激した人は覚えているだろう3人の、現在の写真が掲載され、甲子園ファンには涙ものかも。2004年夏のイケメンキャプテン・佐々木君、2005年夏のサイクル安打男・林君、2006年夏の主将にしてハンカチ・斎藤のもう一人のライバル・本間君。特に亜細亜大に進学した本間君がやせててワロタ。

続きはぜひ読んでみてほしいと思います。

それにしても、田中君は指導者に極めて恵まれていたようです。

小学校時代の少年野球チーム監督は元甲子園球児。
中学時代に所属した「宝塚ボーイズ」の監督は、元イチローのバッティング投手。
駒大苫小牧高校では高校野球ファンにその名を知られる香田誉士史さん。
そして、プロ野球・楽天で野村克也さん。

才能や努力だけでなく、指導者に恵まれた運も、田中君に備わった天性のものだったんでしょうね。


さて、この本は3つの視点から描かれています。これがまたおもしろい。

1つは新聞記者として事実を描いた部分。2つ目はスポーツライターとしての思い入れを書いた部分、最後の1つは「一ファン」としての視点です。著者の黒田さん、相当な田中君ファンなのが分かります。

この3つの視点が、田中君の呼称で見事に使い分けられているのです。

1つめの視点では「田中」「田中将大」と呼んでいます。
2つめの視点では「将大」と呼びます。
最後の視点では「マー君」とあえて表記しています。

全体を通じては、どういう視点で書かれているのか。冒頭の文章がすべてを語っています。

「札幌・円山球場の
 阪神・甲子園球場の
 仙台・宮城球場の
 世代から新世代の
 ヒーローになった
 そんな、マー君の物語」


<追記>ちょっと残念なのは、おそらくもっとも彼に影響を与えたであろう、駒苫の香田さんのインタビューがなかったこと、2006年秋の国体でのエピソードがなかったことくらいでしょうか。

それ以外はもう、お腹いっぱい。高校野球ファン、田中君ファンはきっと幸せになれる本です。

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2007年10月31日

Colin McRae 〜走り続ける魂〜“ミスター・インプレッサ”の生涯

うっかり買ってしまった本の紹介です。といっても、雑誌「レーシングオン」の臨時増刊号なんですが。

img2007102915002754112100.jpg
レーシングオン臨時増刊
Colin McRae 〜走り続ける魂〜“ミスター・インプレッサ”の生涯


定価1500円 (本体価格1429円)
 

以前のエントリ「信じられない! コリン・マクレーが事故死だなんて…」でも書きました、不世出のラリードライバー、コリン・マクレーの追悼特集号です。

そのエントリにも書いたとおり、もし、コリン・マクレーがいなかったら、オイラはレガシィに乗ることはなかったでしょう。それほど、オイラにとって、マクレーは偉大な存在です。

この特集号では、オイラ同様、マクレーに魅せられたラリージャーナリストやカメラマンの追悼の言葉で埋め尽くされています。後半には、マクレーの生涯成績や、かつてのライバルや親交の深かったレーサーのコメントも紹介されていますが、やはり、マクレーに魅せられた人々の言葉は胸を打ちます。


モータースポーツジャーナリストの古賀敬介さんはこんな風に、マクレーとの「出会い」を振り返ります。

 「…SSでコリンが走る姿を見て僕は腰を抜かした。白いスバル・レガシィが、真横になって凄まじい勢いで迫ってきたからだ。道を端から端までフルに使い切り、それでも足りずに後輪を側溝に落としながらも前へ、前へと進もうとする。見たこともないような、それは刹那的とも言える走りだった。コリンのアタックを見た後では、ユハ・カンクネン(こめ註:当時のトヨタのエース)やアリ・バタネン(こめ註:有名なラリードライバー。マクレーのチームメイトでもあった)の走りがおとなしく見えたほどだ(こめ註:2人ともアグレッシブなドライバー)。ステージが変わり2度目にコリンが僕の前を通り過ぎたとき、レガシィはルーフやサイドパネルがベコベコにへこんでいた。そして3度目に通過したときは見事にトランクが潰れ、レガシィはデッサンの狂った5ドアハッチバックのような形と化していた。しかし、驚くべきことにスピードは鈍っていない。むしろ、クルマが変形するほどに速さが増しているように見えた

これでお腹いっぱいになってはいけませんよ!ラリージャーナリストのジェリー・ウィリアムズはこんな風に語っています。

「…ラリーチームの首脳が“コリン・マクラッシュ”のニックネームを口にするとき、そこには非難とある種の諦めがつきまとったが、マクレー軍団にとっては、それは褒め言葉に等しいのだ。コリンの出番が近づくと、SSの観衆は絶頂の瞬間を待ちきれず、声援を送り始める。もしかすると途中でクラッシュするかもしれない。負の期待が興奮を駆り立てる。クルマがボロボロでも、全身全霊を込めた走りはいつも変わらない。安全第一とかスローダウンといった単語は、コリンの辞書にはどこを探しても存在しなかった
「コリン・マクレーの限界を超える走りは、どこかジル・ビルヌーブを彷彿させた

実際、クラッシュの多いドライバーでしたが、この本にも伝説の「レガシィ逆立ちシーン」も収録されています(爆)
そうそう、フォードに移籍後の「フォーカス逆立ち」もしっかりと載ってます。

でも、写真でやっぱり、マクレーらしいと思うのは、「超絶」という言葉がふさわしい、豪快なドリフトシーンですね。「闘争心むき出しの走り」とはこのことなんだろうなぁ。学生時代、無理してBSアンテナを買って、夢中でWRCを見ていたあのころを思い出しました。(今はアンテナすらないわけですが^_^;)

現代のWRCはグリップ走法の方が速いですから、ここまで横向きに走りドライバーはまずいません。見ているだけでほれぼれとします。

後半の「関係者コメント集」では、家族をはじめ、スバルとコンビを組んだプロドライブのデヴィッド・リチャーズ代表、ライバル中のライバルだったトミ・マキネン(当時は三菱ランサー・エボリューション)、アリ・バタネン、ユハ・カンクネン、現スバルのエース、ペター・ソルベルグ、そして、家族ぐるみで付き合っていたF1ドライバーのデヴィッド・クルサードなど、そうそうたる面子が顔をそろえました。


また、エピソードも盛りだくさんで、1993年のサファリラリーの痛快な模様も紹介されています。
なんと、スバルはサファリラリーに軽のヴィヴィオを3台持ち込みました。(レガシィではなく)
で、マクレーに与えられた指令は、「とにかく全開で行けるだけ行け」。実際にそれを敢行し、なんと、セリカやランエボを凌ぐトップタイムをマーク。あの、丸っこいクルマでめっちゃくちゃに飛ばし、ちょっとミスしたら10回転くらいはするんじゃないかっていう勢いで突っ走り…、初日でサスペンションがぶっ壊れてリタイア!(爆) ホント、マクレーらしいエピソードです。

マクレーがWRCで乗ったレガシィ、インプレッサ、フォード・フォーカス、シトロエン・クサラ、シュコダ・ファビアも紹介され、ジュニア時代の貴重な写真もどーんと掲載されています。

これだけの本が作れるほど、世界中のラリーファンに愛されたマクレー。

未だに、ヘリ事故で亡くなったことが信じられません。

一度でいいから、マクレーの横に乗ってみたかった…。もう、叶わぬ夢ですが。改めて、マクレーの冥福を祈りたいと思います。そして、また、マクレーのような強烈なラリードライバーが現れることを祈って…。


マクレーに想い出がある人でなくても、豊富な文と写真でラリーの醍醐味がわかり、しっかり楽しめる一冊でもあります。よかったら、一冊いかが?

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2007年09月15日

環境問題を考える2冊

久しぶりの読書レビューです。環境問題を考える上で、両方とも読みたい。それでいて、中身は相反する本です。


不都合な真実不都合な真実
アル・ゴア 枝廣 淳子

ランダムハウス講談社 2007-01-06
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環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks (024))環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks (024))
武田 邦彦

洋泉社 2007-02
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アメリカのゴア元副大統領が著したのが「不都合な真実」。

理屈抜きで、圧倒的な量の写真と短文で、地球に起きている環境変化をわれわれに伝えています。そして、「今できることがある。レッツトライ」と呼びかけています。

この本は理論的な部分はほとんどありません。しかし、説得力がある。
自分が現場に見た、ありのままを写真で伝えている。まあ、この写真って思いっきり職権濫用しないと撮れないじゃん、と思うものもなきにしもあらずなんですが(^_^; でも、この地球に起きている変化を、ここまで圧倒的に見せる本は他にないでしょう。

この本を読むと、無駄な電気を消さずにはいられません。まあ、レガシィターボに乗っているオイラに言える台詞ではありませんが(^_^;

そう言えば、オイラが学生時代過ごした北海道・釧路は当時、気温が25度を超えたら異常気象で、8月16日にストーブのスイッチを入れざるを得ない、寒冷地でした。真冬に2、3日外出していると、安アパートの居間に置いていたペットボトルのウーロン茶が芯まで完全凍結(爆)。冷蔵庫の中から暖かい空気が出てくる(いや、実際には5度前後なんですが、室温がマイナス10度近い)。Gパンは夏でも1週間乾かない(まあ、霧のせいですが)など、過酷なものでしたが、最近の釧路は気温が30度近くまであがり、Gパンも乾くそうです。
釧路湿原もどんどん乾燥化が進んでいるとか。

稲作の北限がどんどん上がっていて、北海道の一等米比率が向上しています。品種改良だけでなく、気温の上昇も原因の一つでしょうね。

温暖化の驚異は間違いなく、身近に迫っていると言えます。それを数字や論文でなく、簡単にわかる写真で見せた。この本の持つ意味はそこだと思います。



と、そんな気象変化への脅威論に「ちょっと待て」というのが、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」です。「不都合な真実」とは逆に、理論と数字で「温暖化」などの問題を「ウソばかり」と切り捨てていきます。

「地球の温度が上がると北極や南極の氷が解け、海水位が上がる。陸がどんどん水没する」
よく言われる話ですが、この本は「これはウソだ」といいます。
なぜか。

▽まず、北極の氷はいくら溶けても海水位は変わらない。「アルキメデスの原理」でググれ。
▽また、南極自体は平均気温がマイナス50度という酷寒で、たかが1度くらい上がっても氷が解ける気温じゃない。むしろ、気温の上昇で南極付近の海から水蒸気が多く発散し、南極に雪となって降り積もる量が増える。南極付近では海水位は下がるはずだ。
▽確かに海水位が上昇しているが、それは南極の氷が解けたからではない。気温とともに海水温が上がり、水の体積が増えたからだ。

ということです。確かに説得力ある理論ですな。

しかも、国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の報告によれば、北極の氷も南極の氷も開水面の変動に影響を及ぼさない、ということですが、日本政府の環境白書ではワザと逆に書いている、というのですから笑えます。
おまけに、京都議定書なんてまったく意味がないとも断じます。京都議定書の目標を達成したところで、気温の上昇を0.007度抑えることができるだけだ、と。おまけに、CO2排出量取引など、環境保護にまったく意味を持たないものを導入するなど理不尽きわまりない、というわけです。確かに、CO2取引は環境保全にまったく寄与しません。馬鹿な政策だな、としか思えないんですよね。

さらに

▽紙や割り箸を節約することで熱帯雨林を守れると思ったら大間違い。
▽水素自動車は普通の車より多くのCO2を出す。
▽鉄道は飛行機の1/10のCO2しか出さないというのはウソ。
▽そもそも、森林はCO2を吸収しない。

などなど、驚きのリポートのオンパレード。

また、ペットボトルなどの資源リサイクルはかえって、余分なエネルギーを消費し、二酸化炭素を無駄に消費する事などを指摘。リサイクルは直ちにやめ、ゴミは素直に燃やした方が環境にいいとも説きます。
ペットボトルをリサイクルして、節約できる石油は、たった1/1000だと。そのために余計なゴミ収集車を走らせ、工場を稼働し、電力を消費し、リサイクルする以上の石油とエネルギーを消費してしまっている。実に無駄だと。はっきり言って、車を1/1000だけ乗らないようにして歩けば、ペットボトルのリサイクルなんてしなくて良い。いつもより電気をこまめに消すだけでOK。ペットボトルはそのまま燃やして良い。そこまで言い切っちゃってます。
しかも、リサイクルされるから安心だといって、使い捨ての容器が増え、かえってゴミが増えている、とも指摘します。

そいや、聞いたことがあります。リサイクルが進んで、プラスチック類が燃やされなくなったため、焼却炉のカロリーが落ちて、ゴミと一緒に油を燃やしている、と。カロリーを上げないとダイオキシンが発生するため、やむを得ないのだと。意味ないなぁ…。

また、この本は、ダイオキシン問題についても「ウソばかり」と論じます。

環境問題でどうしてウソがまかり通るのか。その答えはこの本には明確には示されていません。

今、人類に迫った環境危機は「石油枯渇」だと指摘します。石油がなくなれば、温暖化は止まりますが、物流、産業、農業、その他への影響が大きすぎる。

子孫のことを思えば、石油を節約すべき、と私たちに問いかけてきます。



あれ? 目的はともあれ、結論はアル・ゴアさんと言ってることと、同じじゃん(爆)



2つの視点から見えることに、環境問題の根の深さが伺える。そんな2冊でした。

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posted by こめろんぐ at 20:34 | Comment(2) | TrackBack(0) | 気まぐれ読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月02日

第62代横綱・大乃国の全国スイーツ巡業(芝田山康著 日本経済新聞出版)

この本を読んで、オイラは自信を持って言えるようになりました。

「オイラは甘党じゃ!何が悪い!(^^)v」


第62代横綱・大乃国の全国スイーツ巡業第62代横綱・大乃国の全国スイーツ巡業
芝田山 康

日本経済新聞社 2006-09
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芝田山親方って現役時代、強い横綱だったイメージはありません(^_^; でもまさか、これほどの甘党だったとは驚きました。しかも、大関時代から自分でケーキを作っていたというから、こりゃスゴイ。

この本は芝田山親方の「スイーツ」とのなれそめやエピソードをつづった後、巡業の傍ら食べ続けたお菓子の中から140ものお菓子を厳選して紹介しています。

親方とスイーツとのエピソードは、何か思いっきり同感しながら読んでいました。

例えば、あんこの話。

「あんパンを食べる時は牛乳を飲む。牛乳にあんパンをひたして食べてもおいしい。食べている時にあんこが牛乳の中に落ちて、最後に下にたまったあんこごと牛乳を一緒に飲む。それがまたうまいのだ!」

お、親方! あんた、オイラと同じじゃないか! で、これをやると妻に怒られるんですよね。行儀が悪いって。でも、うまいものはしょうがない! 思いっきり、親方のファンになってしまいました。
また、ケーキが食べたくなったら、夜8、9時からお弟子さんとケーキを焼き始め、ロールケーキの7−8本をぺろりと平らげる、などのエピソードも披露しています。さすがは相撲取り。食う量が半端じゃない。ロールケーキ一本食うのも結構、大変なのに(^_^; きっと、ショートケーキなんかだと、1人で1ホール食っちゃうんでしょうね。ああ、そんな相撲取りがちょっとうらやましい。

で、芝田山親方おすすめのお菓子140選ですが、これもどれもうまそうなものばかり。きれいなカラー写真で紹介されています。見てるだけでうまそうなんですが、お菓子の一つ一つに、親方の「ズバリ一言」寸評が入っていて、これがまたおもしろい。

  「おはぎには人一倍うるさいボクが納得した味。」(十勝おはぎ=サザエ食品)
  「食べながら、日本茶を飲んでクチュクチュすると、これがうまい!」(鳩サブレー=豊島屋)
  「これはおもしろい。いっぺんに3ついきました。」(なんじゃこら大福=お菓子の日高)
  「生麩まんじゅうはピュッーとあんが飛び出すあの感じがいいんだよ」(生麩まんじゅう=不室屋)

などなどです。でも、たまにネタが尽きたのか

  「僕は間に合わせでお菓子は買いたくない。自分の納得した味のものしか買わない」
  「疲れた時に甘いものが食べたくなるというけど、僕はいつでも甘いものを食べたいと思う」
  「意識してなかったが、結果的に日持ちしないお菓子ばかり選んでいる」

なんて、そのお菓子と関係ないぼやきも混ざってて、これも親方らしい「味」になっています。

中にはオイラお気に入りの、北菓楼(北海道砂川市)のシュークリームも入ってて、親方も絶賛してて、これがまたうれしかったり(^_^;

なんか、気取っていない、タダの甘い物好きの男が書いたにしては、おもしろすぎる本です。オイラも昔、ケーキを焼いてみたことがありますが、親方には負けました(^_^;

この本を片手に「スイーツ巡業」してみたくなりました。そんな1冊。甘い物好きの人もそうでない人にもおすすめです。

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*おわび:なぜか、コメント・TBの受付を拒否する設定になっていました。こっちは何もしてないのに…。すいませんでした。このエントリは予約投稿だったのですが…なんでやろ?
posted by こめろんぐ at 02:00 | Comment(5) | TrackBack(2) | 気まぐれ読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月14日

第三の時効(横山秀夫著、集英社文庫)

去年読んだのですが、ついつい書きそびれちゃってました。

この本、マジ良いです。



4087460193.01._AA200_SCLZZZZZZZ_V57191316_.jpg第三の時効(横山秀夫著、集英社文庫)

出版社 / 著者からの内容紹介(Amazonより)
04年「このミス」第4位の名作!
時効の発生は事件発生から15年。しかし容疑者が事件後海外に滞在したため、7日間のタイムラグがある。F県警はこの間に容疑者を追いつめようと…。サスペンスとドラマ、警察小説の傑作連作集。
 





「クライマーズ・ハイ」や「半落ち」などで知られる横山秀夫の短編集です。

クライマーズ・ハイや半落ちでも感じたのですが、とにかくこの人の作品は、あまりにも人物の描写がすごい。この作品は、F県警の捜査一課の刑事たちが織りなすドラマですが、刑事一人一人の心情を、濃密かつリアルに書ききっています。もう、刑事が被疑者を問いつめる場面なんか、吐き気を催すほど、リアルです。

もともと、横山氏は群馬県の上毛新聞の記者出身で、警察担当なども経験。相当深くお巡りさんと付き合ったんでしょう。フィクションとはいえ、これまでの推理小説とはまるで違い、事件現場での刑事たちの捜査の場面が地味です。地味なんだけど、ものすごく現場の臨場感がある。本物の事件現場ってこんな感じなんだろうな、と思いながら作品世界に引き込まれます。

F県警捜査一課の課長・田畑、強行係の個性的な面々の中でも、やはり三人の班長のキャラが際だちます。一班の「青鬼」朽木は理詰めで被疑者を追いつめる。「半落ち」で登場する刑事課指導官・志木に似ています。二班の「冷血」楠見はとにかくやり方がえぐい。公安あがり、という背景がそういうキャラ作りの元になっているんでしょうか。三班の「動物的カン」村瀬は、現場の第一印象から被疑者をあぶり出す猟犬のようなデカです。しかし、部下への視線は恐ろしく冷たい。
この三人が手柄を争い、恐ろしいまでの情念が渦巻きます。それを、読者に混乱なく読ませるのが、この横山氏の筆力なんでしょうね。

表題の「第三の時効」は、楠見の事件です。ある男性が自宅のアパートで妻の目の前で男に刺し殺され、逃走した。男は妻の幼なじみ。男は逃げまくり、まもなく15年の節目を迎える。
しかし、被疑者は犯行後、一週間ほど台湾に渡航しており、その期間は時効が停止しています。刑事は15年目の日を「第一時効」、1週間後を「第2時効」と呼び、時効が成立したと勘違いしてのこのこ出てくる被疑者を捕捉しようと、捜査を続行します。
やがて、1週間がたち、「第2時効」の時を迎えた。そのとき、楠見は「捜査続行」を部下に命じる。果たして第三の時効とは−。
最後の大どんでん返しがホント、度肝を抜かれます。読み終え、ある種の虚脱感を感じました。それ程までに作品世界に取り込まれていたというなのでしょう。

オイラの中では、昨年のベストオブ文庫です。皆さんもぜひ一度、ご一読を。ただし、寝る前はやめた方がいいかも。途中でやめられませんから(^_^;


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posted by こめろんぐ at 18:40 | Comment(7) | TrackBack(1) | 気まぐれ読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月06日

ミツオカ・大蛇のすべて

そう言えば、いろいろと書きたい感想文がたまっているんですけど、正月早々、衝動買いしたこの本について書いてみます。


ミツオカ大蛇のすべて―開発秘話から試乗記まで(XaCAR編集部、1000円)
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以前から、この車はいいぞお! と言い続けてきたオイラですが、この本は車の開発秘話から、ドリキン土屋圭市による試乗インプレッション、さらに内外装の詳報、ランボルギーニ・カウンタックLP400との比較など、盛りだくさんの内容です。

この本では、オロチを「ファッション・スーパーカー」と定義し、走りは2の次、見た目が一番大事というオロチのコンセプトをものの見事に言い当てています。

冒頭の土屋圭市による試乗記はちょっと期待外れかな? どうせなら、この車でどれだけ攻められるのか、その限界を試してほしかった。土屋には「こいつにはクルマを愛する人々の魂が宿っている。NSX、ロードスター、GT−Rと同じように」といわせていますが、ドリキンに聞きたいのはそれじゃない! みたいな。

その後に掲載された、このクルマのデザインを担当した青木さんや、光岡会長のインタビューを通じた「誕生秘話」が結構読ませます。

「東京モーターショーは自工会加盟でないと展示させてくれなかった。大阪は新聞社主催なので展示OKで、ビュートなどを展示したら評判がよく、自工会から『光岡さん、ブース出しませんか』といってきた」
「東京に初めてブースを出すとき、コンセプトカーを一台出したかった。そのとき、光岡会長の妻が『私、スーパーカーに乗りたい』といった。そこで、光岡会長が『スーパーカーのデザインを出せ』と号令をかけた」
なんてことがあって、さらに一悶着あり、青木さんがオロチのデザインを上げると「これで行こう!」とゴーサインを出して、2001年モーターショーに出された最初のコンセプトモデル「オロチ」が誕生した−。

詳しくは読んでみてください。結構ドラマですわ。ハイ。

そしてこの本、オロチにあまり興味がない人にもお勧めしたい方がいます。

スーパーカー世代の方々です。

モータージャーナリスト西川淳が自ら所有するカウンタックLP400とオロチを比べます。LP400の写真もキレイです。色がちょっとあれですが(^_^; これ見て思うのが、やっぱ、カウンタックはかっこいいわぁ( ̄∇ ̄*)

そして、西川淳が選ぶ「我が心のスーパーカー・ベスト30」なる企画もあり、様々なスーパーカーが写真入りで紹介されているのです!
中には「ディーノ246GT」「ランボルギーニ・イオタ」「ランチア・ストラトス」「ポルシェ959」「マクラーレンF1」なんてのもあり、もういつまで見てても飽きません。

さらに、かつては構想が出たものの、消えていった「幻の和製スーパーカー」計画が特集されています。

日産・MID4
日産がかつて計画した、ミッドシップ4WD。1985年、87年とモーターショーに出たが、頓挫

いすゞ・ベレットMX1600
1969年、70年にモーターショーに出品。経営悪化により頓挫

童夢・ZERO
京都のカロッツェリア・童夢がマジメに市販化を目指した。1978年、ジュネーブショーで発表。日産のL28エンジンをミッドシップに搭載し、ガルウイングドア。ル・マンにも出場する。しかし、お役所の厚い壁に阻まれ、時間がたつうちに童夢の情熱が薄れ、頓挫。

ヤマハ・OX99−11
当時、F1に参戦していたヤマハが92年にコンセプトモデルを発表。エンジンは3.5リッターV12のF1エンジンをデチューンし、ボディーはグループC風のものを由良拓也がデザイン。バブル崩壊で頓挫。

ジオット・キャピスタ
童夢がバブル期に計画したスーパーカー。エンジンはスバル製3.5リッター水平対向12気筒のF1用を積む予定だったが、バブル崩壊で頓挫

オートバックス・ガライヤ
当ブログでも紹介したことがある車ですね。2002年にオートサロンに出品され、03年からGT選手権に出場しており、市販化を目指していましたが、昨年にはプロジェクトが解散し、頓挫。

などなどの車が写真付きで紹介されていました。

これはお買い得ですわ。車好きにはおすすめの本です! 久々に子どもと一緒に読みふけってしまいました。



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posted by こめろんぐ at 00:29 | Comment(5) | TrackBack(0) | 気まぐれ読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月18日

ダ・ヴィンチ・コード & ダ・ヴィンチ・コード

話題になっている2つの「ダ・ヴィンチ・コード」を無事、制覇しました。面白かった〜(^o^)

今、オイラのマイブームは「暗号化」です。先日、仕事のファイルをPDFで送る際、パスをかけてメールで送付。その後、パスのヒントをメールで送ったのですが、「馬鹿たれ」の一言で「やり直しの刑」になりましたil||li _| ̄|○ il||li

だって、そのヒントだけで開けるんだから、ソニエールに比べれば親切じゃないか、とか思ったりするんですが、やっぱダメでしょうか…。冗談の通じないヤツめ(--#)


   poster.jpg

レビュー(amazon.co.jpより)

出版社 / 著者からの内容紹介
ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く……。


(この文字が見える方には、以下の文章はネタバレにつながる恐れがありますので、読んでない、見てない方は以下に進まないでください)


まずは小説の「ダ・ヴィンチ・コード」です。ハードカバーもありますが、私は角川文庫の方を読破しました。

上巻は、息もつかせぬ展開の連続。はらはらしながらページをめくっていきました。ダン・ブラウンの作品は初めて読みましたが、キリスト教の背景を知らない無宗教の私でも、次々と謎が現れ、解明されていく様は面白く読めます。

プロローグがイイですね。ソニエールの決死の覚悟。守るべき秘密を守り、伝えるべき者に伝えようとあがいた10数分間。ここでの描写が、後に紹介されるソフィの葛藤を見事に裏付けました。

アメリカ暮らしが長かった友人に聞いたのですが、作品中に登場する「オプス・デイ」というカトリックの一派は実在し、その過激な修行の有様から「カルト扱い」されているそうです。いや、冒頭で「実在する」とお断りがされているんですが、ここまでひどく書かれる組織って一体…。オウムだったら確実にサリンガスを撒きに来ますな(^◇^;)


で、中巻。中だるみですね。物語の展開も大きくなく、一番読むのに時間がかかりました。

いや、この巻から登場するキャラが、ちょっとくどいリーの言い回しのくどさもさることながら、リチャードおまいもか、と言わんばかりのシーンも。ただ、これらのくどい言い回しが、物語の最後にあっと驚くどんでん返しの仕掛ともいえるわけですが。
最後の方でちょっと、種明かしめいたものが出てきますが、これもどんでん返しに向けた仕掛でしかなかった。なかなかです。


で、下巻。ここまでばらまかれた仕掛が一気に読者を襲いかかります。
最後の謎解きが終わったあと、さわやかなエンディングなのかな…と思いきや、エピローグにもう一つのどんでん返しが用意されていました。読者をホッとさせておいて、最後にとっておきの悪戯を仕掛ける。なかなか味な最後でした。

導師の正体はそっちかよ! と思わず心の中で突っ込みを入れましたが、まあ、反則ではない範囲でしょうね。少なくとも、アガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」よりは許されるかと。


ところで、コレを読んだ人はやっぱ、ルーブル美術館の逆さピラミッドの下を掘ってみたりしないんでしょうか(爆)

あと、パリのサン・シュルピス教会の床のタイルが割られる事件が続発とか。
で、同教会が「タイルを割っても石は出ません。シオン修道会とは無関係です」とコメントを出したりとか。



あ、で、コレを読んだあとに映画「ダ・ヴィンチ・コード」を見ました。トム・ハンクス主演。

これだけ濃密な長編小説を、どうやって2時間半に収めるのか、ちょっと楽しみにしつつ、見ました。



一言


端折りすぎil||li _| ̄|○ il||li


オチなんて一部原作と変わってるし。いや、それ自体は良いんですが、なんか大人の事情が透けて見えてヤナ感じでした。
エピローグシーンなんて、あまりに唐突すぎて、原作読んでないとついていけないんじゃ…

まあ、映画ですから…。


ただ、「最後の晩餐」の話は、文字だけよりもビジュアルで見た方が分かりやすかった。
また、アナグラムの解き方を映像化したシーンは(・∀・)イイ!!

その点で映画を見て良かったなぁと(苦笑)


ただ、映画も小説も未制覇、という人には、先に映画を見た方が「吉」かもしれません。


ちょっと辛口評価でしたでしょうか?




<今朝の1曲:中島みゆき「ヘッドライト・テールライト」>




PS あ、もーすぐキックオフですね。期待せずにテレビ観戦します(謎)

PS2 今回からアマゾンのアフェリエイトで表紙を紹介します。



<追記>
ニッポン、ほぼ終戦ですなぁ…。ブラジルに勝つしかないって…。ま、次の試合も観戦を楽しみましょう。イイ試合をしてくれれば…。でも、ヨシカツがあそこまで魅せてくれれば、奇跡が起こる…。いや、過度な期待はやめましょう…。


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posted by こめろんぐ at 21:22 | Comment(9) | TrackBack(1) | 気まぐれ読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月26日

耐震強度偽装問題 ワルの本丸を暴く! 宮崎 学 (著)

ちょうど、姉歯元建築士などの人々が逮捕されたことだし、この本の話で久々の読書感想文を

耐震強度偽装問題 ワルの本丸を暴く! 宮崎 学 (著)

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レビュー

内容(「BOOK」データベースより)
ヒューザー・小嶋、総研・内河らの一連の「上っ面の悪者」たちの逮捕劇で幕を引きそうな耐震強度偽装問題。実は本物のワルは、警察権力、大マスコミの力も及ばないところで安穏としている。「突破者」宮崎学が、日本の腐食しきった警察・検察組織と自民公明連立政権との癒着で、甘い汁をすすっている「許されざるワル」をあぶり出して一喝する。また、元土建業の見地から建築業界にはびこる「業界の常識」=表には決して出ない「甘えの構図」についても赤裸々に語りつくす。

内容(「MARC」データベースより)
「上っ面の悪者」たちの逮捕劇で幕を引きそうな耐震強度偽装問題。甘い汁をすすっている「許されざるワル」をあぶり出して一喝。また元土建業の見地から、建築業界にはびこる「業界の常識」についても赤裸々に語りつくす。

写真、レビューはAmazon.co.jpより




あのグリコ森永脅迫事件の容疑者「キツネ目の男」とも言われた宮崎学氏が、問題の耐震偽装問題をぶった切った本です。

この本で面白いのは、ヒューザー・小嶋社長のインタビューです。一貫して自分は違法行為を一切していない、と主張しているのですが、タダの言い訳じみた話、というわけでなく、何となく説得力があるのが面白い。
創価学会に入っていたことも、安倍晋三の秘書を訪ねた話もサラッと話してしまってます。


この本では小嶋が詐欺罪でパクられることが前提になっていて、「小嶋をパクっても問題の本質をたたいたことにはならない」と主張しています。


「ヒューザーは会社ぐるみで姉歯や木村建設に手抜きマンションを建てさせ、住民に売って暴利をむさぼった」という話が、一番素直に聞こえます。

しかし、ヒューザーが会社ぐるみでそれをやってたとは考えにくい現実があります。
たとえば、ヒューザーの社員の一部は、問題の「グランドステージ」に住んでいたこと。しかも、前に住んでいたマンションをわざわざ売ってまで住んでいる人がいる始末。もし、会社ぐるみで欠陥マンションを売りまくってたとしたら、社員は買わないでしょう。スーパーのパートさんがお総菜売り場のお弁当を買っていかないのと同じで。




ではこの本で指摘する「ワルの本丸」とは…



それをここでネタバラしすると、読む人の楽しみがなくなるのですが、一つだけバラします。

それは「銀行」です。

実はマンション販売という商売で最ももうけるのは銀行だと指摘しています。

たとえば、3000万円のマンションを消費者が買うとすると、銀行で35年ローンくらいを組む。それでようやくマンションを買えるわけだが、金利を含めると消費者が払う金額は6000万円くらいになる。支払いが確実で、抵当権を付けていざというときは回収できる、非常にボロい商売です。しかもノーリスク。
消費者にしてみれば、ローンが完済してホントの所有権を得るころには、財産価値はゼロになっている。実に理不尽な話だ。

銀行は今回のマンションについて審査し、「価値がある」と判断してローンを組ませた。マンションが欠陥建築だったことは、貸し手が担保価値を見誤ったということになる。欠陥マンションを買った住民の責任は全くなく、銀行は貸し手責任を取り、ローンをチャラにするべきだ。なのにそうはしない。それどころか、追加担保を要求したりしている。実にえげつない話だ。

というのが宮崎流の理論です。


今日、関係者がパクられまくりましたが、実は、本丸の「詐欺」とは関係がない、微罪での逮捕です。


姉歯元建築士・木村元社長・藤田社長ら8人を逮捕

 耐震強度偽装事件で、警視庁と神奈川、千葉両県警の合同捜査本部は26日午前、元1級建築士・姉歯秀次(48)、「木村建設」(熊本県八代市、破産)元社長・木村盛好(74)、民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)社長・藤田東吾(44)の各容疑者ら計8人を逮捕した。
 捜査本部は今後、8人を含む関係者による「偽装の構図」の全容解明を急ぎ、強度不足を知りながらマンションやホテルを顧客に引き渡したとされる詐欺容疑の立件に全力を挙げる。
 調べによると、姉歯容疑者の知人の建築デザイナー秋葉三喜雄容疑者(46)は2004年3〜10月にかけ、建築士の資格がないのに千葉県船橋市内のマンション2件を設計するなどした建築士法違反の疑い。姉歯容疑者は秋葉容疑者に、この2件の設計で建築士の名義を貸した同法違反ほう助の疑い。
 姉歯、秋葉両容疑者は、容疑をおおむね認めているという。
 木村容疑者と、同社元東京支店長篠塚明(45)、元専務森下三男(51)、元常務橋本正博(48)の各容疑者は05年4月、建設業の許可の更新を受ける際、赤字だった04年6月期決算を黒字に粉飾し、虚偽の決算書類を国土交通省九州地方整備局に提出するなどしたとして、建設業法違反の疑いで、熊本県内などで逮捕された。
 藤田容疑者とイーホームズ元監査役の司法書士、岸本光司容疑者(66)は01年10月、同社が2700万円を増資したように見せ掛け、資本金を約5000万円とする虚偽の登記をしたとして、電磁的公正証書原本不実記録などの容疑で逮捕された。
(読売新聞) - 4月26日12時28分更新



なんか、小嶋を詐欺で逮捕・起訴するのは難しいんじゃないでしょうか。
せめて、「欠陥マンションホテル」提唱者で、めちゃくちゃ儲けまくった総研・内河健あたりまではパクってほしいなと思っているのですが。

この事件、まだまだ動きそうです。複雑怪奇なこの事件の一面を、この本の中に垣間見ることができました。


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2006年03月06日

博士の愛した数式 小川洋子 (著) 新潮文庫

ほんのりジンとくる、読後感はとってもさわやか。感動がちょっとずつしみ出てくる。物語の結末で、不幸になった人は、多分誰もいません(と受け止めています)。数学と文学のコラボがこんなに軽妙なものとは驚きです。映画は抜きにしてお薦めの一冊でっせ。


博士の愛した数式 小川洋子 (著) 新潮文庫

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(写真はamazon.co.jpより)


出版社/著者からの内容紹介
記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。頻出する高度な数学的事実の引用が、情緒あふれる物語のトーンを静かに引き締め整える。著者最高傑作の呼び声高い1冊。



友愛数、絶対数、素数、オイラーの公式、フェルマーの定理など、聞いただけで耳をふさぎたくなるような難しい数学の話が、小川洋子さんの「かわいらしい文体」で描かれ、実に読みやすい。しかも、時間が経つのを忘れてしまいます。

数学って答えが一つしかなくて、完全で無味乾燥で冷たい。嫌いでしたねぇ。
ちなみに私の口癖は「完全なものなどこの世にない!」(ほぼ逃げ口上)。すると友人にちゃかされるんですよ。「数学は?」って。ああ、もうむかつく!

でもそんな冷たい数学に、暖かさと愛情を吹き込んだのが、この物語の主人公「博士」。事故で80分しか記憶が持たない数学者です(実際にそういう脳障害は存在します)。世の中のものをすべて、数字で思考する博士。でも、ずばずばぶった切るんでなくて、とても温和で優しい。こういう先生に数学を習ってたら、私の人生変わってただろうなぁ、と思います。

「足のサイズはいくつかね」「誕生日は何月何日?」。答えを聞いて「それは素晴らしい! この数字とこの数字はこういう関係にある。実に不思議な関係なんだ」

一事が万事、この調子です。10歳のルートくんもすっかり、博士の虜になっていきます。

で、なぜかこの物語で「数学」と並んで重要なウエイトを占めるのが「阪神タイガース」「江夏豊」。ルート君にとっての阪神は現代の阪神。しかし、博士にとって江夏豊は永遠のエースなんです。でもそこで話を合わせられる10歳児。すげえぞ。ウチの長男に見習わせたい。

私はこの物語の中でオイラーの公式をめぐるエピソードが「見事!」と思っちゃいました。

そんな公式があることも、この本を読んで初めて知ったのですが、

 +1=0
 
eは自然対数の底(1+1/2+1/3+1/4+…≒2.71828…)
iは虚数単位(2乗すると−1になる、この世に存在しない机上の数字)
πは円周率(3.141592635…)
のことだそうです。なんのこっちゃ。

存在理由もバラバラ、何の関連性もない、3つの意味不明の数字が出会うとピッタリ−1になる不思議。おっと、これ以上詳しいエピソードはネタばれになるので、割愛m(_ _)m


それにしても、作者の小川洋子さん、取材が大変だっただろうなあ…と思っちゃいました。文学者と数学は水と油でしょうから。

取材を受けた数学者のあとがきも楽しく読めますよ。





で、この作品を読んだあと、映画化の話を聞きました。


私がとっさに思いついたキャスティングは

博 士森繁久弥
 私 市原悦子(ちょっと若いバージョン)
ルートえなりかずき(がきんちょのころ)


だったりしたので、「寺尾聰」「深津絵里」ときいて


美人で若すぎる。


とか思っちゃいました(^_^; 映画見た人、ごめんなさい!




なお、今回のエントリはguwaさんのリクエストでお送りしました♪


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2006年02月04日

「裁判官が日本を滅ぼす」(門田隆将著、新潮文庫)

なんだか、本の話を書くときは、いつもこの前置きになっているような気がしますが…
久々に本の話を(^_^;

この本を読んだら、あなたは裁判員制度に即座に参加したくなる、いやしなければならない、という義務感が沸々とわいてくるはずです。

「裁判官が日本を滅ぼす」(門田隆将著、新潮文庫)

saibankan.jpg
(写真はamazon.co.jpより拝借)

とにかく衝撃的なノンフィクションです。
内容(「MARC」データベースより)
裁判官が間違いだらけ? そんなバカな! 相場主義、良心の欠落、無罪病、傲岸不遜、常識の欠如…。不可解な裁判の数々の実例を詳細に描くノンフィクション。『週刊新潮』連載を単行本化。


このブログでも以前紹介した「山形明倫中・マット死事件」や痴漢冤罪事件、櫻井よしこ「エイズ犯罪」訴訟などを題材に、裁判官の非常識ぶりをこれでもか、これでもかといわんばかりに掘り起こした作品です。


殺人を犯して無期懲役囚がやがて、仮出獄し、再び殺人を犯しました。しかも、殺害後、遺体を切り刻んで解体し、ゴミ袋に遺棄するという残虐な手口でした。
通常、無期懲役囚が仮出獄中、万引き一件でも事件を起こすと、再び無期懲役に逆戻りです。

さて、この殺人事件についての判決は…



1審は無期懲役でした。
(2審で死刑判決、確定。一審判決を徹底的に否定した判決でしたとさ)



刑事事件としては7人組の犯行と認定され、最高裁で確定した「山形マット死事件」。被害者の両親が彼らを相手に民事訴訟を起こしてみると…民事の裁判官はなんと!



「少年が自分でマットに潜り込んで死んだ可能性が否定できない」
として、両親の請求を退けた!(刑事事件とまったく逆の判決、2審ではさすがにひっくり返りましたが)

参考エントリ:誰のための「再審請求」か? 山形マット死事件で人権派弁護士が暗躍中。



ある男性が女子高生に「痴漢!」とされ、逮捕される羽目に。男性は身に覚えがない。痴漢冤罪だと戦い続ける決意で、23日間の勾留を耐え、保釈される。そして始まった裁判。女子高生は当初「痴漢に遭うのは初めて。怖くて電車に乗れない」などと証言。そのくせ、犯行状況についてはよく覚えていない。
そのうち、なんと、「痴漢」の「被害者常習犯」だったことが判明! しかも、この男性を除いては数十万円で示談し、事件になっていなかった! 犯行状況もあいまいで、触られているときは誰にも目撃されていない。限りなく「痴漢当たり屋だ!」として無罪っぽい、と思われたが…



1審は有罪!(か弱い女の子が勇気を出して告発しているのだからうそつくわけがない、という理屈。2審では無罪に)



殺人事件の被害者遺族が、法廷に来ました。両親を惨殺した男です。その手には遺影がありました。傍聴席の最前列、被告人のすぐ後ろに遺影を持って腰掛け、開廷を待っていました。すると裁判長は遺族に…




「横へ行け!」「当法廷では被告人の後ろに(遺影を持った遺族が)座ることは許さない」と怒鳴りつけた!




ある、金融事件の民事裁判。和解協議のテーブルで、銀行側(原告)に有利な提案を被告側に飲ませようとする裁判官。被告側は「それは勘弁してほしい。そうなれば、ウチの両親は自殺しなければならない」と、譲歩を懇願。すると、裁判長は…



「ご勝手に。私たちには関係ありません」




大津市で少年2人が障害児をリンチした末殺した少年事件の審判。少年は審判にかかる前、鑑別所から友人に「ヒマヒマヒマヒマヒマ…ここ出たら遊ぼう!」「重大発表!少年院て、2年くらいで出られるらしいわ。オレ、単車の絵貼り絵してむっちゃ細かくはってんねん。すごいやろ!」「一生マブで夜露死苦〜」など、反省のかけらもない手紙を送っていました。
間違いなく、少年2人は正式な刑事裁判にかけられる(刑務所送り)になると思われましたが…



「感受性豊かで、内省力(反省する力)もある」として少年院送りとしてしまう。




以上に上げたのは、この本に登場する、トンデモ裁判官によるトンデモ判決です。
いやはや、これほど常識はずれの裁判官がたくさんいるとは驚きです。

私の知っている裁判官はパチンコが好きで、パチンコにはまって犯罪に走った男の裁判になると必ず、「パチンコ哲学」で質問攻めにするという、世俗にまみれた人なのですが。最もこのおじさん、ヤクザの渡世に絡んだ事件に甘い判決を下すことが多かったりする、ある意味「トンデモ裁判官」なのですが。

いい人もたくさんいるんですが、ダメな人も多いんでしょうね。っていうか、これほど「超弩級」の人々をまだ、見たことはありません。っていうか、地方都市には来ないんでしょうね。そういう超弩級の人たちは。

エリート教育しか受けてこなくて、世の中のことをよく知らない人が多いからでしょう。裁判官から弁護士になった人は多いですが、その逆はほとんどいません。裁判という、特殊な雰囲気でずっと過ごすことの弊害なんでしょうね…。

ところで、3年後から始まる裁判員制度では、一般市民が重要事件の刑事裁判の審理に参加します。

これは、裁判官が常識はずれの判決を書かないよう、一般市民が常識を教えてあげられるチャンスなのかもしれません。

皆さん、裁判員に選ばれたら、積極的に裁判に参加しましょう。それが結果的に、世の中の「バカ判決」で苦しんでいる人たちを救う! そう思ってね。
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2005年12月06日

マンガ「機動戦士ガンダムさん」大和田秀樹著/富野由悠季原作

久々に、本の話です。なんだか、全然本を読んでいないみたいだなぁ。そんなことないんだけど。

機動戦士ガンダムさん さいしょの巻 カドカワコミックスAエース   価格:¥ 567 (税込)
大和田 秀樹 (著), 矢立 肇 (著), 富野 由悠季 (著)

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写真はamazon.co.jpより

レビュー
出版社 / 著者からの内容紹介
シャアの大ボケ炸裂! あのシーンが実はこうだったら……。本編でのシリアスな場面が、軽快なギャグの4コマ漫画でよみがえる。抱腹絶倒間違いナシ。



最近では「ファーストガンダム」と呼ぶそうです。「機動戦士ガンダム」のことを。
私なんかは「何がファーストや。最近のガンダムシリーズは邪道だ!」とかいって、見向きもしないオッサン世代です。ハイ。アムロとシャアが出ないガンダムはガンダムでない、と思っているオサーンです。文句あっか!




で、この作品は、その「機動戦士ガンダム」のパロディです。




本屋さんで平積みされてたんですが、表紙にぐさりと来ました。はい。



「30すぎてもガンダムガンダムって…どうかと思うね、ボカァ」

ほっとけ! と心の中で突っ込みを入れつつ、そのままレジに向かっていました。






内容ですが、とりあえず、シャアがとぼけすぎ。そして、妙につっこみ上手なララァ。思春期まっただ中でエロい妄想ばかりするアムロ。「バカ兄貴」に苦悩するセイラ…。



そのギャップが面白いわけですが…。




私はシャアとキシリアの掛け合いのシーン、そして、エンドロールに爆笑しました。


たとえばこんなシーン。

「貴様に真意を聞いておきたい」
「キシリアさまにも質問が」
「なんだ」
「キシリアさまってホントに20代ですか? 年ごまかしていませんか?」
 (--#)
(銃でシャア瞬殺)




いや、絵付きでないと面白くないわぁ。まじで。




また、別の一こまで、シャアが一言



「今アニメ化されていたら、ララァも『ボン・キュ・ボン』だったのになぁ」



で、叶姉妹並に胸がでかくて、胸元が開いたワンピースを着たララァを妄想するシャア。




…すんません、以下同文です。



とにかく、実際の登場人物とのギャップを楽しむ漫画。これに尽きます。しかも、なんだか懐かしい。そして楽しい。




子供のころ、行列してガンダムのプラモを買って、夢中で作りまくった自分。
プラカラーのシンナー臭が部屋中にしみ付いていたあのころ。





ちょっと思い出しちゃいましたよ。






はっきりいって、ガンダムをリアルタイムで見てて、その後、Ζガンダムも見た世代でないと、このパロディは理解できないでしょう。若い人が読んでも、理解不能の世界(苦笑)それが、「ガンダムさん」ワールドです。







なんだか、パチンコ・パチスロでも「ウルトラセブン」や「北斗の拳」などがでてきたり、ドラゴンボールとかの愛蔵版が売れてたりします。



私たちの世代って、実はめちゃくちゃ商売人に狙われているのかもしれません。そんなことを感じてしまいました。
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2005年09月24日

「事件」(大岡 昇平 著)

またまた、本の話が久々になってしまいました。



今回の本は「事件」(大岡 昇平 著) 新潮文庫です。25年前に改訂された、ちょっと古い本です。

jiken.jpg
(写真はamazon.co.jpより)




神奈川県の田舎町で、19歳の少年が交際相手の姉を刺殺し、逮捕される。少年は犯行を自白。事件は家裁から検察官送致(逆送)され、正式裁判で裁かれることになった。少年の罪名は殺人。検察官の立証は完璧だったはずが、裁判の過程で隠された事実が暴かれていく。事件の真相は何だったのか、そして判決の行方は−。






私なりに紹介すると、こんな感じのミステリーです。





よくある探偵小説でも、刑事物でもなくて、裁判を中心に謎解きが進んでいきます。
しかし、「赤かぶ検事」のような「真犯人は傍聴席にいる!」というご都合主義的な展開はありません。少年が犯したのは「殺人」なのか、それとも「傷害致死」なのか。認定罪名をめぐる検察と弁護人の攻防が、極めてリアルに描かれています。次々と明かされる新証言に、裁判官の心も揺れます。




ちなみに「殺人」と「傷害致死」はどう違うかというと、端的に言えば「殺意の有無」です。



刑法では以下の通り規定しています

(殺人)
第199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(傷害致死)
第205条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

つまり、殺すつもり、あるいは「コレをやったら普通は死ぬ」場所を攻撃し、相手を死なせてしまうと「殺人」で、「ただ殴ったつもりが、当たり所が悪くて死んじゃった」が「傷害致死」です。殺す意志だけでずいぶんと刑の重さが違います。




もっと具体的にいうと、包丁で左胸をまっすぐ刺したら、どんな言い訳をしても「殺人」です。ムカッとして、とっさに相手の体をドン、と押したら、倒れ込んでしまい、後頭部に岩が直撃して死んじゃったとすると、これは「傷害致死」でしょう。



「殺人」の場合、刑事裁判の冒頭で読み上げる起訴状では「殺意を持って」の一言が必ず入ります。





話がちょっと脱線しすぎました。この小説の話に戻りましょう。



この小説が(゚∀゚)イイ!!のは、刑事裁判の手続きが、極めて現実の裁判に則して描かれている点です。起訴状の書式、検察官の冒頭陳述の書かれ方、最後に検察官が読み上げる論告要旨の書き方など、実際の裁判でも十分通用する内容です。というか、裁判で読み上げられる冒頭陳述や論告は、悪文の代名詞のような文章が多々、見られるのですが、それも丁寧に再現しています。そして、刑事裁判における事実認定を徹底したリアリズムで描ききっています。にもかかわらず、堅すぎない文章で、どんどん先が読みたくなる、最後まで飽きさせない小説です。





ただ、お色気シーンはないんですけどねil||li _| ̄|○ il||li





この本は刑事裁判傍聴の入門書として、あるいは、今後始まる裁判員制度(刑事裁判に市民が抽選で参加し、判決を書きます)のテキストとして極めて優秀です。裁判員制度が始まれば、少なくとも宝くじの2等に当たるより高い確率で、裁判員になるチャンス(?)がいや応なしにめぐってきます。刑事裁判への理解を深めるためにも、一度、読んでみてはいかがでしょうか。





ちなみに、私はたまたま、古本屋でこの本を見つけ、ちょっと立ち読みして購入しました。通勤途中の電車で夢中になって読んでしまい、4日間で読破しました(^^)v
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2005年08月26日

「失踪日記」(吾妻ひでお著)

久々に本の話を書きます。



今回の本は失踪日記(吾妻ひでお著)です。漫画です。

レビュー
出版社/著者からの内容紹介
「全部実話です(笑)」──吾妻
突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働、アルコール中毒・強制入院まで。
波乱万丈の日々を綴った、今だから笑える赤裸々なノンフィクション!
カバー裏にシークレットおまけインタビューが掲載されています。 
カバーの折り返し
「実体験の凄さはもちろん、絵も含めた『漫画作品』として完成度が高く本当に面白い。できるだけ多くの人に読んでほしい、傑作だと思います」
   とり・みき(漫画家)
「これはもう総てのアズマニア、だけでなくすべての現代人にとっての福音の書だと思いました。面白くて面白くて、泣く暇も震える暇もありません。[足の丸い四等身で描かれた現代の新約聖書]て事でどうでしょうか。受難の煉獄とも言える全編を覆う、強烈な生命力が軽妙ですら有ります。」
   菊地成孔(ミュージシャン)

shissonikki.jpg
写真はAmazon.co.jpより



吾妻ひでおさんといえば「ふたりと5人」くらいしか知らなかったのですが、本屋でデカデカと平積みしてあったので、ちょっと立ち読み。



だけのつもりが、すぐにレジに持って行っちゃいました。





いや、おもしろかったので。






この本を一言で表現すると、悲惨な話なのに悲壮感がない。
といったところでしょうか。




第1章は仕事の悩みから突然、失踪し、ホームレス生活になった話。



あまりにも過酷な生活を描いているのに、過酷すぎてギャグにしかなっていません。生きるか死ぬか、ギリギリの中での生活の工夫が、一つ一つ泣かせます。




●たばこ=バス停などでシケモク拾い。たまに箱で落ちてる。

●酒=何十本もの空の酒瓶から、そこに貯まったしずくをかき集めて「あじまカクテル」。賞味期限切れのワインも拾えた。

●食糧(初期−中期)=近所のごみステーションあさりしたほか、「野生のダイコン」「野生のキャベツ」(笑)を採取。ダイコンは皮を薄くむいたら辛口で、厚くむいたら甘口だとか。

●食糧(中期−後期)=スーパーのゴミ袋から、賞味期限切れの弁当、おやつなどゲット。ファーストフード店のゴミ箱も狙ったが、カギがかかっており失敗

●小銭=自販機の釣り銭アサリ。自販機の下にはあまり転がってないとのこと。

●その他=ゴミ袋にあったカビた食パンを、カビを全部取って、日光消毒。それで食べちゃった…



…それ以外にもいろいろ。とにかくリアルです。ルンペンってこういう生活をしているんだなぁ。



第2章は再び失踪し、「ホームレスは暇だ」と、ガス配管工事の日雇い労働をした話。第3章は、酒浸りの毎日からアルコール中毒症になり、精神病院に入院する話です。




中身は読んでみてのお楽しみにしましょうか。第1章と同様、実体験に基づいたお話で、リアルに描かれた話なのに、ドキュメンタリーのような重苦しさが全然無いので、すいすい読めます。



それにしても、これだけの波乱万丈な体験をサラッと読ませるとは、すごいの一言です。





ちなみに、第三章に登場する看護婦さんが



やたら、かわいい。

こんなナースがいるなら、入院しても良いかも?












そうそう、読み忘れちゃいけないのが、表紙カバー裏です。
何が書いてあるかは、これも買ってからのお楽しみと言うことで…





みなさん、決して本屋さんでこの本の表紙をひっくり返したりしないでくださいね(笑)

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2005年06月16日

「なんでこれが交通違反なの!? 警察は教えない126の知識」(今井亮一著、草思社)

最近読んだ本の紹介を。

「なんでこれが交通違反なの!? 警察は教えない126の知識」(今井亮一著、草思社)を読みました。

kotuihan.jpg
写真はamazon.co.jpより


なかなかおもしろいです。

学生時代に今井さんの「交通取締りに『NO』と言える本」を偶然読み、何度も読み返して勉強?しました。それ以来の、いわば、「隠れファン」です。雑誌「driver」のコラムもまめに読んでいます。

今井さんの本はタイトルを見ると「交通取り締まりから免れる法」が書かれているように見えますが、さにあらず。
「理不尽な警察の取り締まりに気を付けましょう。もしそうなったら、対処方法はこれこれですよ」という内容です。決して違法行為を助長しているわけではないのがミソ。

今回の本は、過去に出た今井さんの本の集大成のような感じ。
反則切符の種類から交通裁判の仕組み、駐車違反、酒気帯び、速度違反の取り締まり方法の実際などを丁寧に解説しており、個別のケースについてわかりやすく説明されています。
例えば「駐車禁止の標識が街路樹の葉の陰で見えないので停めたら、切符を切られた」など、いかにもありそうなことを例に挙げています。警察がいかに汚い取り締まりをし、「交通商法」をやっているかをまざまざと見せつけます。

非常に内容の詰まった本で、交通違反についての相当の知識が身に付くこと請け合いです!

もっとも、これらの本で得た知識が役に立つ場面には出くわしたくない、というのが本音なんですけどね。



私は今でこそ、ゴールド免許ですが、昔はよく、交通違反で捕まったものです il||li _| ̄|○ il||li

といっても、スピード違反と駐車違反ばかりですが。
一体、警察にいくら貢いだものやら…(*´o`)=з

スピード、駐禁以外では、学生時代に一度、信号無視で捕まりかけましたが、「私は青信号で直進した。あなたは私の側の信号を見ていたわけではないでしょ」と強弁し、摘発は逃れました。(いや、後ろの車が急接近してきたので、やむを得ず通過しただけなんですよ。黄色信号で突っ込んだだけですから。ホント)




今は安全運転第一です!(キッパリ


それが遵法運転とは限りませんが(コッソリ





「本」のエントリは、今後も折を見てやってみます。
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